2010年02月09日
武研だよ、ほぼ全員集合!
こんにちは、武研大分代表です。
7日(日)は武研本部の練習に大分メンバー共々参加しました!

今回の練習では通称「簡単カンフー」を会長様より教えて頂き、私も生徒と一緒に套路(型)を覚えました。それ程難しくなく、器械を変えてもそのまま使えるので、イベントや咄嗟の時(例えば「カンフーやってるんだって? 何かやってみせてよ!」とせがまれた時など)に大活躍する套路だそうです。



「不動心」が練習の雰囲気にとても合っていますね!(ホントは剣道場のものなのですが)
練習の最後はみんなで記念撮影。今回仕事や用事・体調不良等で来られなかった方もいて残念でしたが、また次の機会に合同練習が出来たらなあと思います!!

本部の皆様、大変お世話になりました!!
7日(日)は武研本部の練習に大分メンバー共々参加しました!

今回の練習では通称「簡単カンフー」を会長様より教えて頂き、私も生徒と一緒に套路(型)を覚えました。それ程難しくなく、器械を変えてもそのまま使えるので、イベントや咄嗟の時(例えば「カンフーやってるんだって? 何かやってみせてよ!」とせがまれた時など)に大活躍する套路だそうです。



「不動心」が練習の雰囲気にとても合っていますね!(ホントは剣道場のものなのですが)
練習の最後はみんなで記念撮影。今回仕事や用事・体調不良等で来られなかった方もいて残念でしたが、また次の機会に合同練習が出来たらなあと思います!!

本部の皆様、大変お世話になりました!!
2010年02月08日
朝ラーメン
こんにちは、武研大分代表です。
福岡で大会や講習等が行われる時は基本バス・電車を利用する私ですが、今回は生徒の保護者様の御厚意により車に便乗させてもらいました。
県大会の次の日、一緒に連れて行ってもらったラーメン屋で朝からラーメンに舌鼓。

朝(6:00から開いているそうです)から行列が出来ている凄いお店でした。メニューもラーメン・替え玉・替え肉・その他酒類と非常にシンプルで、店に入った瞬間にラーメンが届いたのはここが初めてです。ここで食べていて、何となく懐かしい雰囲気……留学時代によく食べていた中国の大型食堂を連想しました。味は薄めで何杯でもいけそうでしたが、この後練習も控えているので替え玉1回に留めておきました。
ちなみに前日の夜は、同じく行列が出来ていたお好み焼き屋さんにも行きました。関西風でしたが、大分ではあまり食べた事のないタイプのお好み焼きだったように思います。
食道楽、此処に極まれり!!
次回は武研本部での練習について書いていきたいと思います。
福岡で大会や講習等が行われる時は基本バス・電車を利用する私ですが、今回は生徒の保護者様の御厚意により車に便乗させてもらいました。
県大会の次の日、一緒に連れて行ってもらったラーメン屋で朝からラーメンに舌鼓。

朝(6:00から開いているそうです)から行列が出来ている凄いお店でした。メニューもラーメン・替え玉・替え肉・その他酒類と非常にシンプルで、店に入った瞬間にラーメンが届いたのはここが初めてです。ここで食べていて、何となく懐かしい雰囲気……留学時代によく食べていた中国の大型食堂を連想しました。味は薄めで何杯でもいけそうでしたが、この後練習も控えているので替え玉1回に留めておきました。
ちなみに前日の夜は、同じく行列が出来ていたお好み焼き屋さんにも行きました。関西風でしたが、大分ではあまり食べた事のないタイプのお好み焼きだったように思います。
食道楽、此処に極まれり!!
次回は武研本部での練習について書いていきたいと思います。
2010年02月07日
福岡県武術太極拳大会所感
こんばんは、武研大分代表です。

(観客が全然いないように見えますが、反対側は席がギッチリ埋まってたんですよ)
福岡県武術太極拳大会に生徒共々出場してきましたが、今回は(も)学ぶ事が多く、非常に有意義な大会となりました。武研大分内でも生徒全員が練習の成果を存分に発揮し、好成績を収められたのは代表として嬉しいです。
反面、代表自身は今までになく不甲斐ない成績となってしまいました。今まで練習してきて理解出来たと思っていた事が案外身に付いていなかったりと、まだまだ修行不足な点が露呈してしまってお恥ずかしい限りです。福岡滞在中に様々な方から受けたアドバイスを己の糧とし、次の大会に確実に活かしていきたいと思います!!
また、今回は波乱に満ちた大会だったと言えます。器械の切断・落下、忘却、時間過不足……聞いた話によると、私が他の方とお話している間に伝統器械種目の一部で物凄い事も起きたとか? 兎に角、今大会では減点対象となる行動を一通り見てしまったような気がしますが、こういった予想外(?)のハプニングもまた大会の醍醐味なのだと私はそう思います。
昨日は生徒の一人と共にそのまま福岡に滞在し、今日の武研本部練習に臨んだのですが、その事についてはまた日を改めて書いていこうと思います。大会出場者ならびにスタッフの皆様、応援してくれた方々、
本当にお疲れ様でした!!

(観客が全然いないように見えますが、反対側は席がギッチリ埋まってたんですよ)
福岡県武術太極拳大会に生徒共々出場してきましたが、今回は(も)学ぶ事が多く、非常に有意義な大会となりました。武研大分内でも生徒全員が練習の成果を存分に発揮し、好成績を収められたのは代表として嬉しいです。
反面、代表自身は今までになく不甲斐ない成績となってしまいました。今まで練習してきて理解出来たと思っていた事が案外身に付いていなかったりと、まだまだ修行不足な点が露呈してしまってお恥ずかしい限りです。福岡滞在中に様々な方から受けたアドバイスを己の糧とし、次の大会に確実に活かしていきたいと思います!!
また、今回は波乱に満ちた大会だったと言えます。器械の切断・落下、忘却、時間過不足……聞いた話によると、私が他の方とお話している間に伝統器械種目の一部で物凄い事も起きたとか? 兎に角、今大会では減点対象となる行動を一通り見てしまったような気がしますが、こういった予想外(?)のハプニングもまた大会の醍醐味なのだと私はそう思います。
昨日は生徒の一人と共にそのまま福岡に滞在し、今日の武研本部練習に臨んだのですが、その事についてはまた日を改めて書いていこうと思います。大会出場者ならびにスタッフの皆様、応援してくれた方々、
本当にお疲れ様でした!!
2010年02月06日
2010年02月05日
競争をも己の糧とせよ
こんにちは、武研大分代表です。
いよいよ明日は(この台詞も何遍書いたか分かりませんが)福岡県武術太極拳大会本番です!
大会は指導者の立場ながら未熟故に緊張してしまいますが、それ以上に楽しみが大きいです。何故なら、大分では中国武術の知名度がまだまだ低く、他団体の動きを見られる機会がとても少ないからです。自分達には何が足りないのか、これからどういう練習をしていくのかを見極めていくという課題点を研究するにあたっては、こういったイベントは非常に有益です。
悪しき平等主義が蔓延している昨今ですが、己自身が常に高みを目指していくのであれば、競争は決して悪ではありません。寧ろ、お互いに比べ合う事で人より抜きん出ようとする姿勢は、成長の糧になります。かといって極端な競争主義に走る事なく、そこに謙虚さも持ちバランスを取っていく事(儒教で言う所の中庸ですかね)が重要なのではないかと、個人的にはそう思います。
だからこそ、「平等ほど不平等なものはない」と、私は常々思っております。なので、例えば友人より私の方がラーメンのチャーシューが大きかったとしても、何ら問題はない訳ですね。ええ。
……話を戻しますと、私は当然として、今回出場する生徒達も、大会で自分なりに何かを勉強してくれれば、これ程嬉しい事はありません。結果もある程度は重要ですが、そこはやはり「大会を通して自分は何を得たのか」を考えていけるようになってほしいなと、私は節に願うものです。
さて、今日の練習では基本功と套路(型)を確認し、軽めに済ませて明日に備えます。大会が楽しみ過ぎて眠れず、夜更かしをする事のないよう、メンバー一同におかれましては宜しくお願い申し上げ……
すみません、それは私の事でした!!
いよいよ明日は(この台詞も何遍書いたか分かりませんが)福岡県武術太極拳大会本番です!
大会は指導者の立場ながら未熟故に緊張してしまいますが、それ以上に楽しみが大きいです。何故なら、大分では中国武術の知名度がまだまだ低く、他団体の動きを見られる機会がとても少ないからです。自分達には何が足りないのか、これからどういう練習をしていくのかを見極めていくという課題点を研究するにあたっては、こういったイベントは非常に有益です。
悪しき平等主義が蔓延している昨今ですが、己自身が常に高みを目指していくのであれば、競争は決して悪ではありません。寧ろ、お互いに比べ合う事で人より抜きん出ようとする姿勢は、成長の糧になります。かといって極端な競争主義に走る事なく、そこに謙虚さも持ちバランスを取っていく事(儒教で言う所の中庸ですかね)が重要なのではないかと、個人的にはそう思います。
だからこそ、「平等ほど不平等なものはない」と、私は常々思っております。なので、例えば友人より私の方がラーメンのチャーシューが大きかったとしても、何ら問題はない訳ですね。ええ。
……話を戻しますと、私は当然として、今回出場する生徒達も、大会で自分なりに何かを勉強してくれれば、これ程嬉しい事はありません。結果もある程度は重要ですが、そこはやはり「大会を通して自分は何を得たのか」を考えていけるようになってほしいなと、私は節に願うものです。
さて、今日の練習では基本功と套路(型)を確認し、軽めに済ませて明日に備えます。大会が楽しみ過ぎて眠れず、夜更かしをする事のないよう、メンバー一同におかれましては宜しくお願い申し上げ……
すみません、それは私の事でした!!
2010年02月04日
中央部進出のお知らせ(3月分)
こんにちは、武研大分代表です。
大分市公共施設利用者登録が無事に終わり、手元に登録カードが届きました!!
公共施設は人気がある所だと抽選となるので、毎回同じ場所・時間で練習という訳にはいかないかもしれませんが、ひとまず3月分は

・3月24日(水) 19:00~21:00 南大分公民館・多目的ホール
・3月31日(水) 19:00~21:00 同上
にて、武研大分の練習を行う事が決定しました!!
(南大分公民館はこちらです。なお、南大分体育館とお間違えのないようお気を付け下さい)
4月は同施設が予約済みの為、ただ今別の施設を抽選待ちです。来週にその結果が分かるので、当選したらまたここに書き込む予定です。練習場所が安定せず皆様には御迷惑をおかけしますが、何卒宜しくお願いします!!
いよいよ中央部進出、これからが楽しみです!!
大分市公共施設利用者登録が無事に終わり、手元に登録カードが届きました!!
公共施設は人気がある所だと抽選となるので、毎回同じ場所・時間で練習という訳にはいかないかもしれませんが、ひとまず3月分は

・3月24日(水) 19:00~21:00 南大分公民館・多目的ホール
・3月31日(水) 19:00~21:00 同上
にて、武研大分の練習を行う事が決定しました!!
(南大分公民館はこちらです。なお、南大分体育館とお間違えのないようお気を付け下さい)
4月は同施設が予約済みの為、ただ今別の施設を抽選待ちです。来週にその結果が分かるので、当選したらまたここに書き込む予定です。練習場所が安定せず皆様には御迷惑をおかけしますが、何卒宜しくお願いします!!
いよいよ中央部進出、これからが楽しみです!!
2010年02月03日
県大会リハーサル
こんにちは、武研大分代表です。
昨日は今週末に行われる福岡県武術太極拳大会のリハーサルでした!!
套路(型)は勿論の事、実際に表演服を着て入退場や抱拳礼など、本番を想定した練習を行いました。また、武術なのだから弱々しそう・不安そうに入退場せず、あくまで武術家の気概を以ってそれらに臨んでいくよう、心構えも伝えました。金曜におさらいをして、当日の緊張が少しでも解れればいいなと思います。
生徒達の套路内容に関しては、誰もがジュニア大会の時に比べて進歩しており、とても上手くなっていると感じました。本番では己の力を出し切り、自分にとって満足のいく結果となるようにしてもらいたいですね。
なお、今回は出場予定の生徒達が全員午前中で出番が終わり、私だけ出番が午後です。ここ何ヶ月かの緊張感から解放されて、あえて私の目の前でくつろぐ生徒を尻目に黙々と準備をする自分の姿が容易に目に浮かびますが、耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶのも代表の役目……武研大分最後の出場者としてしっかりと表演していく所存であります。
午前中で終わりだからといって、決して代表を置き去りにして帰ってしまわないよう、関係者の皆様方におかれましては宜しくお願いします……。
だって寂しいじゃないですか。
なお、県大会プログラムはこちらです。興味のある方は是非御覧下さいませ。
昨日は今週末に行われる福岡県武術太極拳大会のリハーサルでした!!
套路(型)は勿論の事、実際に表演服を着て入退場や抱拳礼など、本番を想定した練習を行いました。また、武術なのだから弱々しそう・不安そうに入退場せず、あくまで武術家の気概を以ってそれらに臨んでいくよう、心構えも伝えました。金曜におさらいをして、当日の緊張が少しでも解れればいいなと思います。
生徒達の套路内容に関しては、誰もがジュニア大会の時に比べて進歩しており、とても上手くなっていると感じました。本番では己の力を出し切り、自分にとって満足のいく結果となるようにしてもらいたいですね。
なお、今回は出場予定の生徒達が全員午前中で出番が終わり、私だけ出番が午後です。ここ何ヶ月かの緊張感から解放されて、あえて私の目の前でくつろぐ生徒を尻目に黙々と準備をする自分の姿が容易に目に浮かびますが、耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶのも代表の役目……武研大分最後の出場者としてしっかりと表演していく所存であります。
午前中で終わりだからといって、決して代表を置き去りにして帰ってしまわないよう、関係者の皆様方におかれましては宜しくお願いします……。
だって寂しいじゃないですか。
なお、県大会プログラムはこちらです。興味のある方は是非御覧下さいませ。
2010年02月02日
武体の末路・後編
こんにちは、武研大分代表です。
大会前はその規模を問わず、行きつけの整骨院でコンディションを整えてもらいます。その際に整骨院の先生が下さるアドバイスの一言一言が本当にタメになり、私という人間を更に高めてもらっている感覚です。とは言え、まだまだいろんな面で修行不足ですから、これからも心・技・体の三者をバランスよく鍛錬していければと思います。
さて、前回の記事の続きをどうぞ。
--------------------------
海外の学校に留学する上で重要な役割を果たしているのが、留学先の外事辧公室である。外事辧公室とは外国人留学生に関連する手続きを一手に引き受ける所で、ここの働き具合によって、各種手続きが楽にもなり苦にもなり得る。
しかし、残念ながら自分が留学した武漢体育学院の外事辧公室主任は御世辞にも有能とは言えない、寧ろその逆の単語こそが相応しい、そんな主任であった。
本来であれば、このネット世界で晒し者にしてでもこの蓄積された鬱憤を晴らしたい所であるが、彼に対する最後の情けとして、自分はここでは彼の事を「ミスターX」と仮名で呼ぶ事にする。自分は、この中華人民共和国という国における「有能」という言葉の意味合いを、彼との交流によって思い知らされた。
留学生という立場から考えた場合、外事辧公室主任とはどうあるべきか?
答えは簡単である。
留学生に親身になり、彼らの生活全般を出来る範囲(留学生とて子供ではない。この国でどうしても出来ない事があれば、それに素直に従えるだけの思慮分別は持ち合わせている)でサポートする。
たったこれだけで、異国で生活する留学生の暮らしは格段にスムーズなものとなるのだ。
しかし、甚だ残念な事に、ミスターXの立ち振る舞いは、自分をはじめとした留学生全員(この点のみにおいて、個性的な面々たる武体留学生の意見は一致した)の反感ばかりを買っていた。少なくとも自分が滞在していた時、彼が親身になって相談に乗ってくれた事など、ただの一回もない。
ここで話を戻すが、学院側ひいては中国にとっての「有能」とは、
学院(中国)に金を落とさせる能力があるか否か
この一点に限る。それ以外の要素については、はっきり言ってどうでもいいのだ。寮の部屋の壁に突然亀裂が入ろうと突然部屋の便器が爆発しようとスペイン人のPCが何者かに盗まれようと、彼はそのアフターケアには殆ど関知しない。彼の脳髄にはただ一点の曇りなき打算、「どうやって留学生から金をせしめようか」……これだけである。また、彼は正規の家賃を勝手に水増ししてぶん取ったり、既に学費を払っている留学生に「未払いだぞ」とトンチンカンな事を言って二重取りを企んだりもするなど、自らの立派な腹部に肥やしを与える事を常に欠かさない。
彼を含めた外事辧公室スタッフのあんまりにもあんまりな立ち振舞いに、一度だけ留学生全員で彼の上司に直談判しに行った事があるが、ミスターXがこっぴどく叱責を受けただけで、残念ながら留学生全員が暗に願っていたであろう、彼の辞任は叶う事がなかった。寧ろ彼に「誰が主犯だ」と疑われてしまい、却って逆効果であった気がする。しかし、この一件を機に家賃は見直され、正規の値段で払う事となった。この点だけは良かった。
そんな留学生達の抵抗と言えば、せいぜい寮に設置されてある階段の手すりをことごとく破壊して素知らぬ振りをするか(自分はやってない、念の為)、学費や家賃を人民元に両替して払う事(彼らに外貨を渡して得をさせたくなかったので)位の、極めてささやかなものだった。自分がこの学校へ着いたばかりの時、その辺の事情を何も知らないで米ドルをうっかり払ってしまった事があったが、あの時の主任の笑顔が、今でも忘れられない。逆に、アレックスの友人レミが一ヶ月の滞在費用を払おうとした時、「ドルやユーロはないのか?」と露骨に嫌な顔をした事も、自分は忘れない。忘れられない。
留学生をこのように無碍に扱っていたので、先にも言った通り、留学生の彼に対する評価は著しく凄まじくとんでもなく低かった。あろう事か、最近は留学生に対して理不尽な費用を要求したりするらしい。加えて、前回の反日教練による、やる気ない指導(あれを指導と言っても良いのか疑問だが)……中国国内では名門だか知らないが、これらの精鋭を有した学校に魅力を感じろという方が難しいだろう。
学院にとって外国人留学生とは、学校にお金をたくさん落としてくれるのであるから、考えようによっては「金のなる木」と表現しても一向に差し支えない存在とも言えるのであるが、ミスターXの所業は何をどう見ても故意に留学生を追い出しているようにしか思えなかった。自分がいた時でさえ「金のなる木」である外国人がみるみる減ってしまっていたのだから、これは間違いなくXの不始末である。
自分が留学する前にいた外事辧公室主任は相当に親切で頼りになり、常に「何か困った事はないか」と訊ねてくる方だったと聞いた。自分も一度だけ道端でお会いした事があったが、確かに人柄の良さそうな印象がある。
この方がどういった経緯で主任を異動になったのか、それは分からない。ただ、自分の留学中にもこの方が主任であればどんなによかっただろうと、そう思う時がある。こればかりはとうに終わった事であり、仕方のない事なのだけれども……。
これだけは確実に言える。
ミスターXを外事辧公室主任に据え置いている事による武漢体育学院の損失は計り知れないものである。
---------------------------
色々と書いていますが、当然ながら「この学校でよかった」と思える事も沢山あります。実際、留学中のストレスの大半は外事辧公室絡みのものが多く、それ以外は特に不都合を感じませんでした。良く言えばおおらか、悪く言えばいい加減、そんな中国の国民性を受け入れられるからが中国留学生活を楽しむ為のコツの一つですが、往々にして物事には限界があるという事も忘れてはいけませんね。
余談ですが、自分が一回目の留学(長々と書いてある留学記は全て一回目の留学についてなのです)を終えて帰国した直後、武漢体育学院ではそれまで家賃に含まれていた電気がプリペイド式で別途料金となり、ミスターXのせいで不便だった生活が更に不便となりました。しかしながら、今までが恵まれ過ぎていたのだと考えれば、それも致し方なき事なのでしょう……武漢は停電が多かったですし、電力の供給が不安定で心許ないのも一因なのだと思います。
こういった情報は留学前にはなかなか分かりにくいものです。需要があるかどうかは非常に疑わしいですが、今後武漢体育学院への留学を志す方が何かの拍子でこのブログに出会って色々と参考にして頂ければ、これ以上嬉しい事はありません。
……需要……ホントにあるのでしょうか……?
大会前はその規模を問わず、行きつけの整骨院でコンディションを整えてもらいます。その際に整骨院の先生が下さるアドバイスの一言一言が本当にタメになり、私という人間を更に高めてもらっている感覚です。とは言え、まだまだいろんな面で修行不足ですから、これからも心・技・体の三者をバランスよく鍛錬していければと思います。
さて、前回の記事の続きをどうぞ。
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海外の学校に留学する上で重要な役割を果たしているのが、留学先の外事辧公室である。外事辧公室とは外国人留学生に関連する手続きを一手に引き受ける所で、ここの働き具合によって、各種手続きが楽にもなり苦にもなり得る。
しかし、残念ながら自分が留学した武漢体育学院の外事辧公室主任は御世辞にも有能とは言えない、寧ろその逆の単語こそが相応しい、そんな主任であった。
本来であれば、このネット世界で晒し者にしてでもこの蓄積された鬱憤を晴らしたい所であるが、彼に対する最後の情けとして、自分はここでは彼の事を「ミスターX」と仮名で呼ぶ事にする。自分は、この中華人民共和国という国における「有能」という言葉の意味合いを、彼との交流によって思い知らされた。
留学生という立場から考えた場合、外事辧公室主任とはどうあるべきか?
答えは簡単である。
留学生に親身になり、彼らの生活全般を出来る範囲(留学生とて子供ではない。この国でどうしても出来ない事があれば、それに素直に従えるだけの思慮分別は持ち合わせている)でサポートする。
たったこれだけで、異国で生活する留学生の暮らしは格段にスムーズなものとなるのだ。
しかし、甚だ残念な事に、ミスターXの立ち振る舞いは、自分をはじめとした留学生全員(この点のみにおいて、個性的な面々たる武体留学生の意見は一致した)の反感ばかりを買っていた。少なくとも自分が滞在していた時、彼が親身になって相談に乗ってくれた事など、ただの一回もない。
ここで話を戻すが、学院側ひいては中国にとっての「有能」とは、
学院(中国)に金を落とさせる能力があるか否か
この一点に限る。それ以外の要素については、はっきり言ってどうでもいいのだ。寮の部屋の壁に突然亀裂が入ろうと突然部屋の便器が爆発しようとスペイン人のPCが何者かに盗まれようと、彼はそのアフターケアには殆ど関知しない。彼の脳髄にはただ一点の曇りなき打算、「どうやって留学生から金をせしめようか」……これだけである。また、彼は正規の家賃を勝手に水増ししてぶん取ったり、既に学費を払っている留学生に「未払いだぞ」とトンチンカンな事を言って二重取りを企んだりもするなど、自らの立派な腹部に肥やしを与える事を常に欠かさない。
彼を含めた外事辧公室スタッフのあんまりにもあんまりな立ち振舞いに、一度だけ留学生全員で彼の上司に直談判しに行った事があるが、ミスターXがこっぴどく叱責を受けただけで、残念ながら留学生全員が暗に願っていたであろう、彼の辞任は叶う事がなかった。寧ろ彼に「誰が主犯だ」と疑われてしまい、却って逆効果であった気がする。しかし、この一件を機に家賃は見直され、正規の値段で払う事となった。この点だけは良かった。
そんな留学生達の抵抗と言えば、せいぜい寮に設置されてある階段の手すりをことごとく破壊して素知らぬ振りをするか(自分はやってない、念の為)、学費や家賃を人民元に両替して払う事(彼らに外貨を渡して得をさせたくなかったので)位の、極めてささやかなものだった。自分がこの学校へ着いたばかりの時、その辺の事情を何も知らないで米ドルをうっかり払ってしまった事があったが、あの時の主任の笑顔が、今でも忘れられない。逆に、アレックスの友人レミが一ヶ月の滞在費用を払おうとした時、「ドルやユーロはないのか?」と露骨に嫌な顔をした事も、自分は忘れない。忘れられない。
留学生をこのように無碍に扱っていたので、先にも言った通り、留学生の彼に対する評価は著しく凄まじくとんでもなく低かった。あろう事か、最近は留学生に対して理不尽な費用を要求したりするらしい。加えて、前回の反日教練による、やる気ない指導(あれを指導と言っても良いのか疑問だが)……中国国内では名門だか知らないが、これらの精鋭を有した学校に魅力を感じろという方が難しいだろう。
学院にとって外国人留学生とは、学校にお金をたくさん落としてくれるのであるから、考えようによっては「金のなる木」と表現しても一向に差し支えない存在とも言えるのであるが、ミスターXの所業は何をどう見ても故意に留学生を追い出しているようにしか思えなかった。自分がいた時でさえ「金のなる木」である外国人がみるみる減ってしまっていたのだから、これは間違いなくXの不始末である。
自分が留学する前にいた外事辧公室主任は相当に親切で頼りになり、常に「何か困った事はないか」と訊ねてくる方だったと聞いた。自分も一度だけ道端でお会いした事があったが、確かに人柄の良さそうな印象がある。
この方がどういった経緯で主任を異動になったのか、それは分からない。ただ、自分の留学中にもこの方が主任であればどんなによかっただろうと、そう思う時がある。こればかりはとうに終わった事であり、仕方のない事なのだけれども……。
これだけは確実に言える。
ミスターXを外事辧公室主任に据え置いている事による武漢体育学院の損失は計り知れないものである。
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色々と書いていますが、当然ながら「この学校でよかった」と思える事も沢山あります。実際、留学中のストレスの大半は外事辧公室絡みのものが多く、それ以外は特に不都合を感じませんでした。良く言えばおおらか、悪く言えばいい加減、そんな中国の国民性を受け入れられるからが中国留学生活を楽しむ為のコツの一つですが、往々にして物事には限界があるという事も忘れてはいけませんね。
余談ですが、自分が一回目の留学(長々と書いてある留学記は全て一回目の留学についてなのです)を終えて帰国した直後、武漢体育学院ではそれまで家賃に含まれていた電気がプリペイド式で別途料金となり、ミスターXのせいで不便だった生活が更に不便となりました。しかしながら、今までが恵まれ過ぎていたのだと考えれば、それも致し方なき事なのでしょう……武漢は停電が多かったですし、電力の供給が不安定で心許ないのも一因なのだと思います。
こういった情報は留学前にはなかなか分かりにくいものです。需要があるかどうかは非常に疑わしいですが、今後武漢体育学院への留学を志す方が何かの拍子でこのブログに出会って色々と参考にして頂ければ、これ以上嬉しい事はありません。
……需要……ホントにあるのでしょうか……?
2010年02月01日
武体の末路・前編
こんにちは、武研大分代表です。
福岡県大会のプログラムを見て、昔に比べて随分と人が増えたなあと思いました。以前は「拳術」のカテゴリだけで事足りていたのが、現在は全日本と同じく長拳・南拳・伝統拳・etc……カンフー練習者の人口が増加するのはとても嬉しいです。我が地元・大分でも、負けずに武術を普及させていきたいです!!
「三毛(さんまお)」以外の留学記は今回が初めてになります。どうぞ御覧下さい。
-------------------------------
自分が滞在していた頃の武漢体育学院は、北京・上海両体育学院に比べて学費(一年間で約22万円)や家賃(2人部屋の為1ヶ月約7000円)が安かった上に、留学生寮の設備も割合豪華であった。その上、希望すれば学院内のエリートたる武漢体育学院武術隊との練習も可能であった。武術を志してやってくる外国人留学生にとってはこれ程良い環境もなかった。
しかし、そんな武漢体育学院も、現在は武術隊との練習はコネでもない限り不可能となってしまった。
その原因は色々と考えられる。学院の看板を背負った武術隊を指導するだけでも大変なのに、いきなり留学生を放り込まれて「じゃ、後は宜しく(by外事弁公室主任)」では、さしもの武術隊教練もうんざりするだろう。また、自己主張が極めて強いアレックス(三毛)と、武術隊にいた血の気の濃い運動員との軋轢も原因の一端として考えられる。
よって、留学生達は本科生とならない限りは外国人だけで練習する事になるのだが、ここに落とし穴があった。
即ち、外国人隊を指導しているK教練の事である。彼は何を隠そう、反日教練だった。表向きはそれ程悪い人ではなかったし、自分もこの教練には何故か気に入られていた。とある祝日の表演に、武術隊の前座として自分を選び表演させてくれたのは、この教練である。
厄介だったのは、彼と二人きりになった途端に「日本人は南京大虐殺で30万人殺した云々」と、歴史学者になったつもりで自分に説教し出したり、留学生達の生活に無茶苦茶な事を言って干渉してきた事だ。とは言え、歴史問題は兎も角、私生活への干渉に関してはそれも外国人隊の規律と思えば、まだ我慢出来た。
これは自分が帰国した後の話になるが、そのうち彼は留学生に、学費とは全く別の金銭を要求してきたらしい。その額や、一日100元(約1500円)というから驚きである。留学生はきちんと正規の学費を払っているのに、いくらなんでも滅茶苦茶だ。その上、彼は現在、留学生の練習をボーっと眺めているだけで、ほとんど指導をしていないと聞いた。給料泥棒と言われても仕方のない事である。
そして、彼は事ある毎に我が友人の邪魔をした。武体での練習が徐々に無益なものとなっていく事に一早く気付いた彼は、練習場所をとある武術学校に変えたのだが、日本人がそこで練習する事を快く思わなかったこの教練は、その武術学校の老師や武体の生徒に彼の悪口を言いふらして回ったのだ。
だが、それは全くの無駄骨に終わった。既に重要なものを老師から習い終えているにもかかわらずそれを練習せず、それどころか「老師が次を教えてくれない」と愚痴をこぼして次々に別の物に手を出している教練の姿勢を嫌悪している老師は、彼の話にはまともに耳を傾けなかったのだ。やはり、老師と呼ばれる方は一味違う。この話を聞いて、自分も彼を嫌悪し始めた……武術家としてはおろか、人間的にも愚かなこの教練を。
この教練の存在だけでも、外国人が今の武体へ赴いて練習するメリットは少ないか、皆無であると思われる。それなら他の学校なり何なりへと通った方が懸命である。
しかし、武体の負的要素はこれだけではない。次回は、その事について。
------------------------------
中国へ留学する上でどうしても避ける事が難しいのが、今記事の前半の話題です。大半は上手く付き合える方達ばかりですが、日本人と聞いて反射的にこの関連の話をしてくる輩も相当数いる事を御留意頂きたいものです。
これは私見ですが、歴史認識について話が出た場合は肯定も否定もせず、適当に聞き流して話題を上手く変えていく事が一番だと思います。事前に学習した知識があれば捏造や矛盾点を論破する事はさほど難しくありませんが、何も外国で自分が不利になるように立ち回る事もありません。
武術留学の範疇で言えば、一生懸命練習すれば先方の主義・主張関係無く認めてもらえると思います。手前味噌ですが、武術隊の教練が別の留学生に「留学生で一番練習していて進歩があるのは大平だ」と言ってたのを、その留学生から聞いた時は本当に嬉しかったです。
後半も武漢体育学院の問題点が中心となります。お楽しみに!!
福岡県大会のプログラムを見て、昔に比べて随分と人が増えたなあと思いました。以前は「拳術」のカテゴリだけで事足りていたのが、現在は全日本と同じく長拳・南拳・伝統拳・etc……カンフー練習者の人口が増加するのはとても嬉しいです。我が地元・大分でも、負けずに武術を普及させていきたいです!!
「三毛(さんまお)」以外の留学記は今回が初めてになります。どうぞ御覧下さい。
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自分が滞在していた頃の武漢体育学院は、北京・上海両体育学院に比べて学費(一年間で約22万円)や家賃(2人部屋の為1ヶ月約7000円)が安かった上に、留学生寮の設備も割合豪華であった。その上、希望すれば学院内のエリートたる武漢体育学院武術隊との練習も可能であった。武術を志してやってくる外国人留学生にとってはこれ程良い環境もなかった。
しかし、そんな武漢体育学院も、現在は武術隊との練習はコネでもない限り不可能となってしまった。
その原因は色々と考えられる。学院の看板を背負った武術隊を指導するだけでも大変なのに、いきなり留学生を放り込まれて「じゃ、後は宜しく(by外事弁公室主任)」では、さしもの武術隊教練もうんざりするだろう。また、自己主張が極めて強いアレックス(三毛)と、武術隊にいた血の気の濃い運動員との軋轢も原因の一端として考えられる。
よって、留学生達は本科生とならない限りは外国人だけで練習する事になるのだが、ここに落とし穴があった。
即ち、外国人隊を指導しているK教練の事である。彼は何を隠そう、反日教練だった。表向きはそれ程悪い人ではなかったし、自分もこの教練には何故か気に入られていた。とある祝日の表演に、武術隊の前座として自分を選び表演させてくれたのは、この教練である。
厄介だったのは、彼と二人きりになった途端に「日本人は南京大虐殺で30万人殺した云々」と、歴史学者になったつもりで自分に説教し出したり、留学生達の生活に無茶苦茶な事を言って干渉してきた事だ。とは言え、歴史問題は兎も角、私生活への干渉に関してはそれも外国人隊の規律と思えば、まだ我慢出来た。
これは自分が帰国した後の話になるが、そのうち彼は留学生に、学費とは全く別の金銭を要求してきたらしい。その額や、一日100元(約1500円)というから驚きである。留学生はきちんと正規の学費を払っているのに、いくらなんでも滅茶苦茶だ。その上、彼は現在、留学生の練習をボーっと眺めているだけで、ほとんど指導をしていないと聞いた。給料泥棒と言われても仕方のない事である。
そして、彼は事ある毎に我が友人の邪魔をした。武体での練習が徐々に無益なものとなっていく事に一早く気付いた彼は、練習場所をとある武術学校に変えたのだが、日本人がそこで練習する事を快く思わなかったこの教練は、その武術学校の老師や武体の生徒に彼の悪口を言いふらして回ったのだ。
だが、それは全くの無駄骨に終わった。既に重要なものを老師から習い終えているにもかかわらずそれを練習せず、それどころか「老師が次を教えてくれない」と愚痴をこぼして次々に別の物に手を出している教練の姿勢を嫌悪している老師は、彼の話にはまともに耳を傾けなかったのだ。やはり、老師と呼ばれる方は一味違う。この話を聞いて、自分も彼を嫌悪し始めた……武術家としてはおろか、人間的にも愚かなこの教練を。
この教練の存在だけでも、外国人が今の武体へ赴いて練習するメリットは少ないか、皆無であると思われる。それなら他の学校なり何なりへと通った方が懸命である。
しかし、武体の負的要素はこれだけではない。次回は、その事について。
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中国へ留学する上でどうしても避ける事が難しいのが、今記事の前半の話題です。大半は上手く付き合える方達ばかりですが、日本人と聞いて反射的にこの関連の話をしてくる輩も相当数いる事を御留意頂きたいものです。
これは私見ですが、歴史認識について話が出た場合は肯定も否定もせず、適当に聞き流して話題を上手く変えていく事が一番だと思います。事前に学習した知識があれば捏造や矛盾点を論破する事はさほど難しくありませんが、何も外国で自分が不利になるように立ち回る事もありません。
武術留学の範疇で言えば、一生懸命練習すれば先方の主義・主張関係無く認めてもらえると思います。手前味噌ですが、武術隊の教練が別の留学生に「留学生で一番練習していて進歩があるのは大平だ」と言ってたのを、その留学生から聞いた時は本当に嬉しかったです。
後半も武漢体育学院の問題点が中心となります。お楽しみに!!
2010年01月31日
幸せになれる食べ物
こんばんは、武研大分代表です。
昨日の夜は友人と酒を酌み交わしながら2009年武研大分活動DVDを観賞しました。この一年間だけでも実に様々な事が起きているという疑いようのない事実に、改めてビックリしました。「万物は流転する」という言葉が示すように、今後も状況は変わっていくのでしょう。それが少し不安でもあり、楽しみでもある……そんな気分です。
さて、今日の記事は特に武術とは関係がありません。某雑誌でラーメン特集をやっていたので、その店を巡って県内(今の所は市内のみですが)のラーメンを食べて回ろうとしています。ひとまずは近い所から食べて回ろうと思い、行ったのがココ。

醤油豚骨チャーシューなるラーメンでした。醤油豚骨は東京で初めて口にしたのですが、過去の記事にも書いてある通り、「こってり」と「さっぱり」が互いにその味を主張し合う一方で同居、住み分けも果たしている、自分でも何を書いているのかよく分からなくなりましたが、そんな絶妙な味加減に魅了されました。大分でそれが食べられたのは嬉しいですね。
次から次へと入ってきて順番待ちをしているお客さんを見て、その繁盛っぷりも窺い知る事が出来ました。店の名前は……そうですね、中国語で「ダーヘイロン」と発音するお店とだけ書いておきましょう。次回は別のメニューも食べてみたいと思います!!
余談ですが、麺の硬さはバリカタが一番硬いと思っていた武研大分代表……しかし、そのバリカタ以上に硬いものが「ハリガネ」という名前で存在していた事に驚きです。ラーメン道は地獄道……斯様にも奥が深いものなんですね。
昨日の夜は友人と酒を酌み交わしながら2009年武研大分活動DVDを観賞しました。この一年間だけでも実に様々な事が起きているという疑いようのない事実に、改めてビックリしました。「万物は流転する」という言葉が示すように、今後も状況は変わっていくのでしょう。それが少し不安でもあり、楽しみでもある……そんな気分です。
さて、今日の記事は特に武術とは関係がありません。某雑誌でラーメン特集をやっていたので、その店を巡って県内(今の所は市内のみですが)のラーメンを食べて回ろうとしています。ひとまずは近い所から食べて回ろうと思い、行ったのがココ。

醤油豚骨チャーシューなるラーメンでした。醤油豚骨は東京で初めて口にしたのですが、過去の記事にも書いてある通り、「こってり」と「さっぱり」が互いにその味を主張し合う一方で同居、住み分けも果たしている、自分でも何を書いているのかよく分からなくなりましたが、そんな絶妙な味加減に魅了されました。大分でそれが食べられたのは嬉しいですね。
次から次へと入ってきて順番待ちをしているお客さんを見て、その繁盛っぷりも窺い知る事が出来ました。店の名前は……そうですね、中国語で「ダーヘイロン」と発音するお店とだけ書いておきましょう。次回は別のメニューも食べてみたいと思います!!
余談ですが、麺の硬さはバリカタが一番硬いと思っていた武研大分代表……しかし、そのバリカタ以上に硬いものが「ハリガネ」という名前で存在していた事に驚きです。ラーメン道は地獄道……斯様にも奥が深いものなんですね。
2010年01月30日
己の欲せざる所を人に施す
こんばんは、武研大分代表です。
いよいよ福岡県大会まで一週間となりました。今日の教室練習でも本番に備えての練習・指導を行いました。来週の大会で十分に力が発揮出来るよう、メンバー一同しっかりと準備をしていきます。
「練習は本番のつもりで、本番は練習のつもりで」
運動部に在籍した経験がある方なら一度は耳にした事がある言葉だと思います。練習にはあたかも本番のような緊張感をもって臨み、本番には極度に緊張する事なく余裕をもって臨む事、その通りに行えれば素晴らしいですね。
本番で実力を発揮する為、本番より過酷な条件で練習するというのも一つの方法です。今日の練習では生徒の一人に極端な厚着をしてもらった状態で長拳を練習させてみました。

上は半袖・長袖・ジャージ・ダウンジャケット、下は薄手と厚手のスボンを一枚ずつ。いくら寒くてもここまで着る事はないだろうという位まで着込んでもらいました。そして、激しい套路(型)を練習させた結果、

ものの見事にバテてしまいました。自分じゃなくてよかったです。
その後、試合とほぼ同じ状態の服装で同じ事をやってもらいましたが、今度は身体が動く事動く事! いろんな実験を思いつきでやらせるのは私の悪い癖ですが、今回は成功といってもよさそうです。
来週はいよいよ大会の週、しっかり仕上げていきます!!!
いよいよ福岡県大会まで一週間となりました。今日の教室練習でも本番に備えての練習・指導を行いました。来週の大会で十分に力が発揮出来るよう、メンバー一同しっかりと準備をしていきます。
「練習は本番のつもりで、本番は練習のつもりで」
運動部に在籍した経験がある方なら一度は耳にした事がある言葉だと思います。練習にはあたかも本番のような緊張感をもって臨み、本番には極度に緊張する事なく余裕をもって臨む事、その通りに行えれば素晴らしいですね。
本番で実力を発揮する為、本番より過酷な条件で練習するというのも一つの方法です。今日の練習では生徒の一人に極端な厚着をしてもらった状態で長拳を練習させてみました。

上は半袖・長袖・ジャージ・ダウンジャケット、下は薄手と厚手のスボンを一枚ずつ。いくら寒くてもここまで着る事はないだろうという位まで着込んでもらいました。そして、激しい套路(型)を練習させた結果、

ものの見事にバテてしまいました。自分じゃなくてよかったです。
その後、試合とほぼ同じ状態の服装で同じ事をやってもらいましたが、今度は身体が動く事動く事! いろんな実験を思いつきでやらせるのは私の悪い癖ですが、今回は成功といってもよさそうです。
来週はいよいよ大会の週、しっかり仕上げていきます!!!
2010年01月29日
三毛・その11 悲しいまでに面従腹背
こんにちは、武研大分代表です。
福岡県大会まで残り1週間と少し……来週は事実上の調整期間なので、今日明日の教室及び自主練習で仕上げていきたいです。表演服を着てリハーサルもしなければ……大会もイベントも目白押し、2010年はまだ始まったばかりです。
今回の留学記で、「三毛(さんまお)」のストック分はひとまず終了です。留学記は何も彼関連のものばかりではありません、今後書かれるであろう記事にも乞う御期待下さいませ!
あと、地味にアクセス数が増加しております。皆様のお陰です、ありがとうございます!
---------------------------
幾度と無く書いている通り、武漢はその酷暑故に、地元民以外の者は夏を嫌がって帰省する事が多い。外国人留学生達も各々の国へ戻っていった訳だが、日本に戻る余裕も金もその気も無かった自分は、武漢に残ってひたすら武術の練習をした。その際に、帰省した日本的朋友から、彼の部屋の鍵を預かっていた。
自分は彼から預かったその鍵を部屋には置かずに常に身に付け、持ち歩いていた。宿舎の安全など信用してなかった。自分の部屋へ遊びに来た中国人が許可も得ずに勝手に机の引き出しを開けて、
「ねえ、これ何? 日本の物なの? いくらするの?」
と、自分を質問攻めにしてきた事が何回かあったからだ。
恐らくは「外国人に対する好奇心」から生じた行動なのであろうが、何も知らない純朴な少年少女ですらこんな感じだったのだから、万が一泥棒が入った場合、どうなる事やら……自分は万が一の事を考えると非常に怖くなった。友人からの預かり物まで盗られてはたまらない。鍵の携帯はそう思っての事だ。
地獄のような武漢の夏がようやく終わりに近付いた頃。いつもと同じように、自分は練習を済ませて宿舎に戻った。部屋の扉を開けたら当時のルームメイトであるアレックスがいて、
「おい、お前にお客さんが来てるぞ」
とぶっきらぼうに言った。自分の部屋に通してあると言うので、(誰だろう)と思って部屋へ入ると、椅子に女の子がちょこんと座っていた。帰省した友人の知り合いだ。島田紳助によく似た可愛い子だった。何事か訊けば、彼の部屋の鍵を取りに来たのだと言う。自分は友人から、部屋の鍵を彼女に渡しても良いと聞いていたので、迷わず鍵を彼女に渡した。彼女は礼を言い、部屋を出て行った。
その後しばらくして、自分の部屋にアレックスが入ってきた。
「おい、あの女は一体何しにここへ来たんだ?」
「ああ、黒豆氏の部屋の鍵を取りに来たんだよ」
「だろうな」
「どうかしたのか?」
「あの女、お前が帰って来るまで机の引出しを勝手に開けて探し回ってたぞ」
自分の顔から笑みが瞬く間に消えていくのが、我が事ながら冷静且つ鮮明に感じられた。
「それでも一応お前の友達みたいだから何も言わなかったけどな、彼女が『部屋の中で待ってる』と言うからしょうがなく部屋に入れたんだ。でもな、それを見て(しまった、入れるんじゃなかった)と思ったよ。大丈夫か、まさか何か盗られてやしないだろうな?」
「……彼女は人の物を盗るような娘じゃないよ」
実際、盗られた物は何一つ無かったのだが、だからと言って、彼女の行動を逐一目撃していたアレックスに向かって、こんな事を言っても気休めにすらならないのは十分承知であった。自分に割合近しい人間が、そんな行動を平気でとった事を、自分は心の片隅で否定したかったのかもしれない、今になってそう思う。
「中国人がああいう奴ばかりではない事は百も承知だが、やはりどうしても好きになれん……お前も友達付き合いを十分考え直した方がいいだろうな」
「ああ、分かった……忠告どうも」
「Fuck'in stupid Chinese!!」と叫びながら、彼は去った。
(まあ何も盗られなかったし、過ぎた事は仕方がないだろう)と半ば無理矢理にでも思い込み、結局この出来事を武漢滞在中にどの留学生にも話さなかった自分を、皆は「いくら何でも、お人好し過ぎる」と嘲るであろうか?
その後も彼女とはちょくちょく遊ぶ機会があったし、実際お世話にもなったが、あの件以来、自分は彼女を全く信用しなくなった。
武漢で迎えた24回目の誕生日に、プレゼントとして彼女から覆面マスクを貰った。目の穴が二つ空いただけの、銀行強盗のようなそのマスクを一目見て、このマスクにおける不気味な程の露出度の少なさは、
「自分が彼女にとり続ける、上辺だけの優しい態度」
正にそのものだなあ……と、彼女からマスクを受け取った時にしみじみと思った。
こんな物をわざわざ貰わなくとも、貴方に素顔(本心)は見せないよ。
本心ではそう思いつつも、誕生会では実に楽しく振舞った(実際楽しかったが)自分は、恐らくこの世の誰よりも腹黒かったであろうと思う。しかし、この一件もまた、今となってはこうして書く事が出来るのだから、一応は良き思い出」の範疇に入るのであろう。
彼女の一連の行動も自分が彼女に取り続けた態度も、お互いに対して面従腹背だった事は残念であった。心から信用した交流が出来ればどんなにいい事だったか、しかし今となってはそれも叶わぬ夢であった。
--------------------------
善い所もあれば悪い所もある、その両面を持って初めて人間たり得る、というのが私の持論です。国家単位で考えれば色々と疑問思う所はたくさんありますが、せめて草の根レベルの個人間交流だけでも大切にしていきたいものですね。

写真は武漢で撮った写真です。「民族村」と書いてありますが、特定の民族がここに住んでいるとかではなく、単に「民族村というレジャー施設である」という事に、大分後になって気付きました。
ちなみにこの民族村レジャー施設は既に潰れてしまっていたようで、私が見た時は人民解放軍の戦車置場になっていました。民族村に人民解放軍の戦車……今日の中国の状況に鑑みると、決して笑えないネタですね。
福岡県大会まで残り1週間と少し……来週は事実上の調整期間なので、今日明日の教室及び自主練習で仕上げていきたいです。表演服を着てリハーサルもしなければ……大会もイベントも目白押し、2010年はまだ始まったばかりです。
今回の留学記で、「三毛(さんまお)」のストック分はひとまず終了です。留学記は何も彼関連のものばかりではありません、今後書かれるであろう記事にも乞う御期待下さいませ!
あと、地味にアクセス数が増加しております。皆様のお陰です、ありがとうございます!
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幾度と無く書いている通り、武漢はその酷暑故に、地元民以外の者は夏を嫌がって帰省する事が多い。外国人留学生達も各々の国へ戻っていった訳だが、日本に戻る余裕も金もその気も無かった自分は、武漢に残ってひたすら武術の練習をした。その際に、帰省した日本的朋友から、彼の部屋の鍵を預かっていた。
自分は彼から預かったその鍵を部屋には置かずに常に身に付け、持ち歩いていた。宿舎の安全など信用してなかった。自分の部屋へ遊びに来た中国人が許可も得ずに勝手に机の引き出しを開けて、
「ねえ、これ何? 日本の物なの? いくらするの?」
と、自分を質問攻めにしてきた事が何回かあったからだ。
恐らくは「外国人に対する好奇心」から生じた行動なのであろうが、何も知らない純朴な少年少女ですらこんな感じだったのだから、万が一泥棒が入った場合、どうなる事やら……自分は万が一の事を考えると非常に怖くなった。友人からの預かり物まで盗られてはたまらない。鍵の携帯はそう思っての事だ。
地獄のような武漢の夏がようやく終わりに近付いた頃。いつもと同じように、自分は練習を済ませて宿舎に戻った。部屋の扉を開けたら当時のルームメイトであるアレックスがいて、
「おい、お前にお客さんが来てるぞ」
とぶっきらぼうに言った。自分の部屋に通してあると言うので、(誰だろう)と思って部屋へ入ると、椅子に女の子がちょこんと座っていた。帰省した友人の知り合いだ。島田紳助によく似た可愛い子だった。何事か訊けば、彼の部屋の鍵を取りに来たのだと言う。自分は友人から、部屋の鍵を彼女に渡しても良いと聞いていたので、迷わず鍵を彼女に渡した。彼女は礼を言い、部屋を出て行った。
その後しばらくして、自分の部屋にアレックスが入ってきた。
「おい、あの女は一体何しにここへ来たんだ?」
「ああ、黒豆氏の部屋の鍵を取りに来たんだよ」
「だろうな」
「どうかしたのか?」
「あの女、お前が帰って来るまで机の引出しを勝手に開けて探し回ってたぞ」
自分の顔から笑みが瞬く間に消えていくのが、我が事ながら冷静且つ鮮明に感じられた。
「それでも一応お前の友達みたいだから何も言わなかったけどな、彼女が『部屋の中で待ってる』と言うからしょうがなく部屋に入れたんだ。でもな、それを見て(しまった、入れるんじゃなかった)と思ったよ。大丈夫か、まさか何か盗られてやしないだろうな?」
「……彼女は人の物を盗るような娘じゃないよ」
実際、盗られた物は何一つ無かったのだが、だからと言って、彼女の行動を逐一目撃していたアレックスに向かって、こんな事を言っても気休めにすらならないのは十分承知であった。自分に割合近しい人間が、そんな行動を平気でとった事を、自分は心の片隅で否定したかったのかもしれない、今になってそう思う。
「中国人がああいう奴ばかりではない事は百も承知だが、やはりどうしても好きになれん……お前も友達付き合いを十分考え直した方がいいだろうな」
「ああ、分かった……忠告どうも」
「Fuck'in stupid Chinese!!」と叫びながら、彼は去った。
(まあ何も盗られなかったし、過ぎた事は仕方がないだろう)と半ば無理矢理にでも思い込み、結局この出来事を武漢滞在中にどの留学生にも話さなかった自分を、皆は「いくら何でも、お人好し過ぎる」と嘲るであろうか?
その後も彼女とはちょくちょく遊ぶ機会があったし、実際お世話にもなったが、あの件以来、自分は彼女を全く信用しなくなった。
武漢で迎えた24回目の誕生日に、プレゼントとして彼女から覆面マスクを貰った。目の穴が二つ空いただけの、銀行強盗のようなそのマスクを一目見て、このマスクにおける不気味な程の露出度の少なさは、
「自分が彼女にとり続ける、上辺だけの優しい態度」
正にそのものだなあ……と、彼女からマスクを受け取った時にしみじみと思った。
こんな物をわざわざ貰わなくとも、貴方に素顔(本心)は見せないよ。
本心ではそう思いつつも、誕生会では実に楽しく振舞った(実際楽しかったが)自分は、恐らくこの世の誰よりも腹黒かったであろうと思う。しかし、この一件もまた、今となってはこうして書く事が出来るのだから、一応は良き思い出」の範疇に入るのであろう。
彼女の一連の行動も自分が彼女に取り続けた態度も、お互いに対して面従腹背だった事は残念であった。心から信用した交流が出来ればどんなにいい事だったか、しかし今となってはそれも叶わぬ夢であった。
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善い所もあれば悪い所もある、その両面を持って初めて人間たり得る、というのが私の持論です。国家単位で考えれば色々と疑問思う所はたくさんありますが、せめて草の根レベルの個人間交流だけでも大切にしていきたいものですね。

写真は武漢で撮った写真です。「民族村」と書いてありますが、特定の民族がここに住んでいるとかではなく、単に「民族村というレジャー施設である」という事に、大分後になって気付きました。
ちなみにこの民族村レジャー施設は既に潰れてしまっていたようで、私が見た時は人民解放軍の戦車置場になっていました。民族村に人民解放軍の戦車……今日の中国の状況に鑑みると、決して笑えないネタですね。
2010年01月28日
1/27のキッズ・カンフー
おはようございます、武研大分代表です。
最近のキッズ・カンフー教室では、入門棍術をメインに指導しております。
棍は武術の魁であり、素手での攻防技術以前に棍の用法が存在したとも言われています。考えてみれば、原始時代に狩猟を行う際、流石に素手で獲物に挑む者はいなかったでしょうから、それも至極当然だと思われます。
棍はおおよそ自分の身長程度か、それより少し長いものを扱います。なので、練習する際は周りをよく見てから行い、絶対にふざけて周囲に迷惑をかける事がないよう、練習の度に口を酸っぱくして注意しています。
キッズ達も武器が使えるという事でとても嬉しそうで、以前の記事で触れた棍の基本練習も嬉々としてこなしていきます。今回から入門棍術の套路に入り、傍目にもやる気が伝わってきます。去年の教室で予め基本練習をしていた事が幸いし、いきなりやれば難しい舞花(棍を前回りにクルクル回す動作)からの摔棍(棍を地面に叩きつける動作)も、ほんの少しの指導だけで難なくやってのけてしまいました。何事も基本が大切だという事の表れだと思います。


さて、今年はキッズ達も先日お知らせした「根っこの会歌謡祭」に出演させようと目論んでいます。現在は保護者の方々の返事待ちですが、もし実現すれば、武研大分の表演に一花添える事が出来るでしょう。代表の立場ながら、とても楽しみです!!
最近のキッズ・カンフー教室では、入門棍術をメインに指導しております。
棍は武術の魁であり、素手での攻防技術以前に棍の用法が存在したとも言われています。考えてみれば、原始時代に狩猟を行う際、流石に素手で獲物に挑む者はいなかったでしょうから、それも至極当然だと思われます。
棍はおおよそ自分の身長程度か、それより少し長いものを扱います。なので、練習する際は周りをよく見てから行い、絶対にふざけて周囲に迷惑をかける事がないよう、練習の度に口を酸っぱくして注意しています。
キッズ達も武器が使えるという事でとても嬉しそうで、以前の記事で触れた棍の基本練習も嬉々としてこなしていきます。今回から入門棍術の套路に入り、傍目にもやる気が伝わってきます。去年の教室で予め基本練習をしていた事が幸いし、いきなりやれば難しい舞花(棍を前回りにクルクル回す動作)からの摔棍(棍を地面に叩きつける動作)も、ほんの少しの指導だけで難なくやってのけてしまいました。何事も基本が大切だという事の表れだと思います。


さて、今年はキッズ達も先日お知らせした「根っこの会歌謡祭」に出演させようと目論んでいます。現在は保護者の方々の返事待ちですが、もし実現すれば、武研大分の表演に一花添える事が出来るでしょう。代表の立場ながら、とても楽しみです!!
2010年01月27日
クロメかけごはん最強伝説
おはようございます、武研大分代表です。
1~3月といえば、クロメの季節ですね。昨日このクロメを食べたので、今日はクロメについての記事です。
クロメという名前に馴染みがあるのは大分県民の中でもごく限られた地域の方だけだと思いますが、私も例外なくその地域の者であり、そして、このクロメが大好きなのです。
クロメとは海藻の一種で、カジメの近縁種です。佐賀関の高島付近、潮の流れが速い浅瀬で採れます。酢漬けにしたり刻んで味噌汁に入れたりと様々な調理法があるのですが、中でも私がオススメするのは「クロメの醤油漬け」です。
だし汁、醤油、砂糖、みりん等の調味料と刻んだクロメを混ぜると、納豆のような粘りが出ます。これを熱いご飯に載せて混ぜて食べると、えもいわれぬ美味しさです。

写真のものは既に混ぜた後のクロメかけごはんで、ごはんが何杯も進みます。あんまり進み過ぎておかずを食べ忘れ、よく叱られた思い出があります。そういった経緯から、このクロメかけごはんに付いた通称が、
「めし泥棒」
……さて、このクロメ、1~3月にしか入手出来ません。最近はクロメの知名度が上がり、店によっては既に予約が出来ない状態の所もあるとか。1本巻き200~400円です。興味が出た方、売り切れない内に取り扱い店にてお買い求め下さいませ!!
そうそう、個人的にはカジメと聞けば『男たちの好日』という漫画、特に西洋スーツの男を連想するのですが……本当にどうでもいいですね。
1~3月といえば、クロメの季節ですね。昨日このクロメを食べたので、今日はクロメについての記事です。
クロメという名前に馴染みがあるのは大分県民の中でもごく限られた地域の方だけだと思いますが、私も例外なくその地域の者であり、そして、このクロメが大好きなのです。
クロメとは海藻の一種で、カジメの近縁種です。佐賀関の高島付近、潮の流れが速い浅瀬で採れます。酢漬けにしたり刻んで味噌汁に入れたりと様々な調理法があるのですが、中でも私がオススメするのは「クロメの醤油漬け」です。
だし汁、醤油、砂糖、みりん等の調味料と刻んだクロメを混ぜると、納豆のような粘りが出ます。これを熱いご飯に載せて混ぜて食べると、えもいわれぬ美味しさです。

写真のものは既に混ぜた後のクロメかけごはんで、ごはんが何杯も進みます。あんまり進み過ぎておかずを食べ忘れ、よく叱られた思い出があります。そういった経緯から、このクロメかけごはんに付いた通称が、
「めし泥棒」
……さて、このクロメ、1~3月にしか入手出来ません。最近はクロメの知名度が上がり、店によっては既に予約が出来ない状態の所もあるとか。1本巻き200~400円です。興味が出た方、売り切れない内に取り扱い店にてお買い求め下さいませ!!
そうそう、個人的にはカジメと聞けば『男たちの好日』という漫画、特に西洋スーツの男を連想するのですが……本当にどうでもいいですね。
2010年01月26日
三毛・その10 偽りの静寂
こんにちは、武研大分代表です。
またもやコンビニで中国語を使う機会がありました。相手は全く日本語が話せず、英語で何とかしようと必死でしたが、こちらが中国語で話しかけると顔がいきなり明るくなり、話が弾み、最後には握手を交わして別れるといった、あたかも「飛び出せ!青春」のワンシーンを髣髴とさせるような展開になってしまいました。自分の母国語で話しかけてもらえるのはとても嬉しい事なんでしょうね。
自分は福岡⇔武漢便で武漢へと赴いた訳ですが、飛行機から降りる時に中国人CAさんから無表情で言われた「さよなら」が衝撃的でした。習った日本語をその通りに使うとしたら確かにそれで間違ってはいないですが……考えてみると、「さよなら」ってあまり使わないですよね。
さて、留学記のストック分も残り少なくなってきました。なくなった後は当然書き下ろし(と呼ぶほど大層な記事でもありませんが)になりますので、留学日記を振り返り、面白い文書に仕上げていきたいと思います!!
--------------------------
<前回までのあらすじ>
ちなみにペプシは「百事可楽」である。
2004年の留学時代は、既に様々な出来事について書いてきた通り、それはもう色々とあった訳だが、それらはあくまでも自分という個人に降りかかる災難・幸運・偶然、要するに、草の根レベルで己が見て、聞いて、感じた事の範疇を超えるものではなかったし、今後もここに書いていくであろうエピソードにしても、そういったものが中心になっていく。これは自分という一個人の留学記に過ぎないのだから。
当たり前の事を言うようであるが、この地は武漢という中華人民共和国の一部であって、日本ではない。日本人というだけで嫌な思いをする事もあれば、その逆もある。大概は前者なのだが、それでも国云々ではなく自分という一個人の人間性を見てくれていたのか、自分は武術隊のメンバーとは仲が良かったし、ある者は自身の誕生日パーティに自分を誘ってくれた事もある。
しかし、そういった草の根レベルの交流に水を差してくる要素が存在し、それはイデオロギーだとか国家の威信だとか、一人ではどうする事も出来ない力である。悲しい事に、この中国政府の謀略にすっかり騙されてしまった人民も多く、その謀略は現在進行形で続いている。そして更に悲しい事に、それはスポーツにおいても何ら変わる事はない。
今回の話はそのスポーツ、特に人気の高いサッカーについてのエピソードだ。2004年8月7日、自分は、この日の事とその前後に起きた様々な事を決して忘れないであろう。
<試合開始1週間前>
大半の留学生が帰国し、武漢体育学院に残っている留学生は3人。フランスのアレックス(三毛)と、アレックスの友人で短期留学生としてやってきたレミ(雷明)、そして日本人である自分である。
この日、三人はデパートへ買い物に出かける為、タクシーに乗った。
「運転手さん、あそこのデパートまでお願いします」
「あいよ……おや、アンタ達、外国人だね?」
「ええ、そうです」
「もうすぐサッカーの試合があるんだよな。 8月7日だったかなあ、楽しみだよ」
タクシーの運転手が話すサッカーとは、AFCアジアカップ2004の事を指していた。
「へ~、中国の相手は何処なんですか?」
「何だ、知らないのか。今度の試合が決勝で、相手は日本だよ」
「……そうなんだ」
自分は元々サッカーが好な方ではない。だから、何処の国が何処と戦おうが全く興味は無かった。しかし、今回は組み合わせが組み合わせである。 「日本VS中国」、これは絶対何かが起きるに違いないと、自分は妙な胸騒ぎがした。
余談だが、買い物先のデパートでもアレックスは普段の傍若無人っぷりを発揮した……が、本編とは全く関係ないので事実を記載するに留めておく。
<試合開始3日前>
「おい、今度のサッカーはどっちが勝つと思う?」
不意にアレックスから訊ねられた自分は、いかにも曖昧な日本人らしく、どっちつかずの返答をした。
「ああ……サッカーは詳しくないから俺には分からないよ」
すると、アレックスは日頃の生活の鬱憤を晴らすが如く、その思いを叫びながらこう言った。
「俺は是が非でも日本を応援するぜ! あのクソッタレ中国をぶちのめす良い機会じゃないか! なあ、お前はそう思わないのか?」
「……まあね」
「俺も中国なんかには負けて欲しくないね。根拠はないが、絶対に日本が勝つって! あ~、ところでだ、ナルトの台詞にいつも付いてくる『~だってばよ』って、一体どういう意味があるんだ? よく分からんのだが」
レミもそれなりに興味があるようだが、彼にとっては、日本のアニメに対して彼が抱いた疑問点を、自分という日本人がいる事を是幸いとして矢継ぎ早に質問する事の方が重要であったようだ。
「あれは彼の口癖だから、特別な意味は無いよ」
「なるほど、そういう事か……あ~、日本勝たないかな~」
レミはアレックス同様重度のマンガ・アニメヲタクであり、時々日本人にもよく分からないような事を聞いて来る。彼が武漢に滞在している間だけでも実に様々な事を訊ねられたのだが、中でも、『幽遊白書』の桑原の鉢巻に書いてあった「健康第一」を指差し、
「彼は何であんな事を書いて戦ってるんだ? おかしくない?」
と訊いてきたのには、さすがににまいった。そんな事、桑原にしか分からないだろう。
<試合開始前日>
「Pingboss~~~~~!!」
夏休みを利用して武漢体育学院へ練習にやってきたヴェトナム武術隊の少年アヨンが、自分を遠くから呼んだ。自分の事を、今でも某所で名乗っている「pingboss=ピンボス」と呼び始めたのは、彼が最初だ。
レミがやって来る少し前は自分とアレックスと韓国人・李炫(リー・シュエン)が残っていた。アヨンは留学生全員をボスと呼んでいて、アレックスを普通に「ボス」と呼び、元々は散打をやっていて体格の良い李炫を「ビッグボス」と呼び、そして、自分の事は名字の一部分を取ったものに「ボス」を付けて、「ピンボス」と呼んだ。それが「ピンボス」の始まりであった。
自分はアヨンの所に行き、用件を訊ねた。
「何だ? どうした?」
「話があるんだ……その……」
「言ってごらんよ」
「明日のサッカー、絶対に日本が勝ってほしいんだ! 中国なんかに負けるなよ! 絶対だぞ!!」
言うだけ言って気が済んだのか、わざわざ駆けつけた自分を尻目にアヨンは去っていった。
彼も中国での生活で色々あったのかもしれない。自分も武漢に来てまだ4ヶ月だというのに、外国という文字通り異国での生活になかなか波長が合わず、些細な事でも重大事件のように感じられる日々を過ごしている。
だからこそ、彼が中国を嫌って相手国の日本を応援する気持ちは何となく分かる。しかし、だからと言って凡人たる自分にそれを言われてもしょうがないのだが。 第一、自分は何を頑張ればいいのだろうか。
<試合当日・夜>
この日の練習を終え、アレックス・レミ・自分の3人は近くの「虎泉」というちょっとした繁華街に出かけた。とある韓国料理屋で焼肉に舌鼓を打ちながら、3人はサッカーの中継が始まるのを待った。
時間は来た。日本と中国の選手一同が一列に並び、国歌斉唱。
(どうせ『君が代』の時に観客総出で大ブーイングだろ? 分かってんだよ……全く、ワンパターンな国だ……て、アレ?)
ブーイングが無い。静か過ぎる。
これはおかしい。この国に限って「反省」など有り得ない筈だが。 まあ、こんな国にも思う所あったのかもしれない。イヤイヤ、そんな事は絶対に無い、これは何かの……イヤイヤ……。
こんな感じで「いろんな裏」を考えているうちにゲーム開始。
「ああ、クソ! 惜しいなあ、早く点入れちまえよ!!」
「おい、今あいつ反則しなかったか!? 流石だよ、汚い奴らだ!!」
「日本側にいるアレックスって奴、お前の友達だろ?」
「名前が一緒なだけだ、ファッキンレミめ!」
試合観戦で徐々に興奮して声を荒げ出したフランス人二人の横で、当の日本人たる自分は、ただ黙々と目の前の焼肉を食い続けた。
(まあ、どっちが勝っても別に俺には関係無いけど……でも、でも……もし日本が負けたら、それはそれでちょっと悔しいかな)
これが当時の自分の偽らざる心情である。往々にしてこういう態度の男はあまり好かれない。
それにしても、不気味な程に静かな試合だ。当方の予想を大幅に裏切り、中国の観客は随分と控えめな応援の様子。
(まさか、事前に政府が指導したのか? いや、そんな高度な芸当が出来るとは思えない)
そんな事を考えているうちに、中国に点を与えてしまった日本チーム。現場で盛り上がる中国人観客と、その様子をテレビで観て歓喜する中国人はシンクロしていた。
その時点では、状況は1対1であった。試合はまだこれからだ。しかし、
「クソ、イライラする! もういい、マッサージ行くぞ!!」
かなり短気な性格であるレミはなかなか点が取れない日本に苛立つあまり、とうとうサッカー観戦自体を途中で止めてしまった。
怒ったレミに引きずられるように、3人は焼肉屋を後にした。日本代表チームの不甲斐無さを嘆きつつ歩いた3人(実際に嘆いていたのはフランス人2名のみ)が向かった場所は、いきつけのマッサージ屋。自分は、後々もよくこの店に通った。連日の練習で痛めつけられた身体を癒し、ついでに心も癒し、すっかり御満悦の外人3人組。
マッサージ屋を出る時、レミが思い出したように店員に、
「ああそうだ、サッカーはどっちが勝ったか知ってるかい?」
と訊ねた。店員はブスっとした顔で愛想なく「3対1で日本が勝ったよ」とだけ答えた。自分の国が負けたのだから、こういう態度でも仕方がないだろうと自分は考えた。
しかし、アレックスとレミは店員のその発言をを耳にするなり、狂喜乱舞し、自分に満面の笑みを向けて言った。
「おい聞いたか、日本が勝ったってよ! しかも3対1だぜオイ! ウオオオ、日本が勝った、中国に勝った、ワーイ! おめでとう、きっとお前にも良い事あるぜ? これは祝福の握手だ、おめでとう、本当におめでとう!」
そう言って2人は日本人たる自分の手を握り締め、その手をブンブンブンブンと、お池の周りに野薔薇が咲いたが如くの勢いで振り回した。自分も「何だ、コイツらのこのテンションは……」と思いつつも、顔はしっかりとニヤけていて、この2人と一緒に日本の勝利を喜んだ。
しかし、嬉しいと思う反面、武術隊の連中とは顔を合わせたくない気分でもあった。彼らは彼らで、母国たる中国の勝利を堅く信じてたのだから。今でこそ仲良くやっていけてる訳だけど、元々は日本人嫌いが多いし、もしかしたら嫌味の一つも言われるかもしれない、若しくは自分にそうするのは甚だお門違いだと分かっていても冷たい視線が飛んでくるかもしれない。日本が勝った事に喜び勇んで親指を上に向けたいのに何故か後ろ指を差されているそうな、そんな理不尽さを感じた。普段通り、大人しく練習に集中していよう。自分はそう決心した。
そう思ったら、次の日は運良く日曜日で、練習は休みだった。なんだかホッとした。
しかし。
<試合終了2日後>
「イエ~イ、3対1、3対1!! やったやった~~~!!」
武術館でレミの浮かれた声が響く。
頼むから、日本の勝利を声高に宣言するのは止めてくれ! 皆がレミじゃなくて俺を見てるんだよ……! しかもどう見ても友好的な眼差しじゃないし……レミの日本を愛する気持ちは嬉しいが、ああ、困った……。
<試合終了20日後>
我が日本的朋友、黒豆氏が日本から戻ってきた。2ヶ月ぶりの再会に喜び合う2人。
「そういえば、サッカー見ました? あの中国が全くブーイングをしてなかったんですよ。彼らも進歩したんですねえ」
笑いながらこう言った自分に対し、黒豆氏は頭に「?」を無数に浮かべながら答えた。
「……そんな筈はないでしょう。僕もニュースで見ましたけど、それはもうひどいブーイングの嵐でしたよ。『君が代』斉唱の時は勿論、日本側にボールが渡っただけでブーブーブーブー、それはもう豚の様に叫んでましたが」
「え……? でも、こっちのテレビじゃエライ静かだったんですよ」
こう反論した自分に、黒豆氏は少し考える素振りを見せて、程無くしてこう答えた。
「恐らく人民に『我ら中国人民はこんなに礼儀正しいんだ』という事を印象付ける為、音声を編集したんでしょうね。いかにもこの国のやりそうな事です」
「はあ……正に中国のやる事ですね……」
全ては偽りの静寂の中で行われた試合。何とも後味の悪い結末であった。
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今回の留学記からは中国に対する反感が他の記事以上に感じられると思うのですが、それもこれも現地で色々と嫌な思いをしたからだ(特にアレックス辺りは)と察して頂けると助かります。
ちなみに虎泉は当時と今とではかなり様変わりしました。その目覚しい発展に驚く一方で、ほんの少しだけ寂しくも思ってしまいますね。

何気ない路地裏が、結構好きです。
またもやコンビニで中国語を使う機会がありました。相手は全く日本語が話せず、英語で何とかしようと必死でしたが、こちらが中国語で話しかけると顔がいきなり明るくなり、話が弾み、最後には握手を交わして別れるといった、あたかも「飛び出せ!青春」のワンシーンを髣髴とさせるような展開になってしまいました。自分の母国語で話しかけてもらえるのはとても嬉しい事なんでしょうね。
自分は福岡⇔武漢便で武漢へと赴いた訳ですが、飛行機から降りる時に中国人CAさんから無表情で言われた「さよなら」が衝撃的でした。習った日本語をその通りに使うとしたら確かにそれで間違ってはいないですが……考えてみると、「さよなら」ってあまり使わないですよね。
さて、留学記のストック分も残り少なくなってきました。なくなった後は当然書き下ろし(と呼ぶほど大層な記事でもありませんが)になりますので、留学日記を振り返り、面白い文書に仕上げていきたいと思います!!
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<前回までのあらすじ>
ちなみにペプシは「百事可楽」である。
2004年の留学時代は、既に様々な出来事について書いてきた通り、それはもう色々とあった訳だが、それらはあくまでも自分という個人に降りかかる災難・幸運・偶然、要するに、草の根レベルで己が見て、聞いて、感じた事の範疇を超えるものではなかったし、今後もここに書いていくであろうエピソードにしても、そういったものが中心になっていく。これは自分という一個人の留学記に過ぎないのだから。
当たり前の事を言うようであるが、この地は武漢という中華人民共和国の一部であって、日本ではない。日本人というだけで嫌な思いをする事もあれば、その逆もある。大概は前者なのだが、それでも国云々ではなく自分という一個人の人間性を見てくれていたのか、自分は武術隊のメンバーとは仲が良かったし、ある者は自身の誕生日パーティに自分を誘ってくれた事もある。
しかし、そういった草の根レベルの交流に水を差してくる要素が存在し、それはイデオロギーだとか国家の威信だとか、一人ではどうする事も出来ない力である。悲しい事に、この中国政府の謀略にすっかり騙されてしまった人民も多く、その謀略は現在進行形で続いている。そして更に悲しい事に、それはスポーツにおいても何ら変わる事はない。
今回の話はそのスポーツ、特に人気の高いサッカーについてのエピソードだ。2004年8月7日、自分は、この日の事とその前後に起きた様々な事を決して忘れないであろう。
<試合開始1週間前>
大半の留学生が帰国し、武漢体育学院に残っている留学生は3人。フランスのアレックス(三毛)と、アレックスの友人で短期留学生としてやってきたレミ(雷明)、そして日本人である自分である。
この日、三人はデパートへ買い物に出かける為、タクシーに乗った。
「運転手さん、あそこのデパートまでお願いします」
「あいよ……おや、アンタ達、外国人だね?」
「ええ、そうです」
「もうすぐサッカーの試合があるんだよな。 8月7日だったかなあ、楽しみだよ」
タクシーの運転手が話すサッカーとは、AFCアジアカップ2004の事を指していた。
「へ~、中国の相手は何処なんですか?」
「何だ、知らないのか。今度の試合が決勝で、相手は日本だよ」
「……そうなんだ」
自分は元々サッカーが好な方ではない。だから、何処の国が何処と戦おうが全く興味は無かった。しかし、今回は組み合わせが組み合わせである。 「日本VS中国」、これは絶対何かが起きるに違いないと、自分は妙な胸騒ぎがした。
余談だが、買い物先のデパートでもアレックスは普段の傍若無人っぷりを発揮した……が、本編とは全く関係ないので事実を記載するに留めておく。
<試合開始3日前>
「おい、今度のサッカーはどっちが勝つと思う?」
不意にアレックスから訊ねられた自分は、いかにも曖昧な日本人らしく、どっちつかずの返答をした。
「ああ……サッカーは詳しくないから俺には分からないよ」
すると、アレックスは日頃の生活の鬱憤を晴らすが如く、その思いを叫びながらこう言った。
「俺は是が非でも日本を応援するぜ! あのクソッタレ中国をぶちのめす良い機会じゃないか! なあ、お前はそう思わないのか?」
「……まあね」
「俺も中国なんかには負けて欲しくないね。根拠はないが、絶対に日本が勝つって! あ~、ところでだ、ナルトの台詞にいつも付いてくる『~だってばよ』って、一体どういう意味があるんだ? よく分からんのだが」
レミもそれなりに興味があるようだが、彼にとっては、日本のアニメに対して彼が抱いた疑問点を、自分という日本人がいる事を是幸いとして矢継ぎ早に質問する事の方が重要であったようだ。
「あれは彼の口癖だから、特別な意味は無いよ」
「なるほど、そういう事か……あ~、日本勝たないかな~」
レミはアレックス同様重度のマンガ・アニメヲタクであり、時々日本人にもよく分からないような事を聞いて来る。彼が武漢に滞在している間だけでも実に様々な事を訊ねられたのだが、中でも、『幽遊白書』の桑原の鉢巻に書いてあった「健康第一」を指差し、
「彼は何であんな事を書いて戦ってるんだ? おかしくない?」
と訊いてきたのには、さすがににまいった。そんな事、桑原にしか分からないだろう。
<試合開始前日>
「Pingboss~~~~~!!」
夏休みを利用して武漢体育学院へ練習にやってきたヴェトナム武術隊の少年アヨンが、自分を遠くから呼んだ。自分の事を、今でも某所で名乗っている「pingboss=ピンボス」と呼び始めたのは、彼が最初だ。
レミがやって来る少し前は自分とアレックスと韓国人・李炫(リー・シュエン)が残っていた。アヨンは留学生全員をボスと呼んでいて、アレックスを普通に「ボス」と呼び、元々は散打をやっていて体格の良い李炫を「ビッグボス」と呼び、そして、自分の事は名字の一部分を取ったものに「ボス」を付けて、「ピンボス」と呼んだ。それが「ピンボス」の始まりであった。
自分はアヨンの所に行き、用件を訊ねた。
「何だ? どうした?」
「話があるんだ……その……」
「言ってごらんよ」
「明日のサッカー、絶対に日本が勝ってほしいんだ! 中国なんかに負けるなよ! 絶対だぞ!!」
言うだけ言って気が済んだのか、わざわざ駆けつけた自分を尻目にアヨンは去っていった。
彼も中国での生活で色々あったのかもしれない。自分も武漢に来てまだ4ヶ月だというのに、外国という文字通り異国での生活になかなか波長が合わず、些細な事でも重大事件のように感じられる日々を過ごしている。
だからこそ、彼が中国を嫌って相手国の日本を応援する気持ちは何となく分かる。しかし、だからと言って凡人たる自分にそれを言われてもしょうがないのだが。 第一、自分は何を頑張ればいいのだろうか。
<試合当日・夜>
この日の練習を終え、アレックス・レミ・自分の3人は近くの「虎泉」というちょっとした繁華街に出かけた。とある韓国料理屋で焼肉に舌鼓を打ちながら、3人はサッカーの中継が始まるのを待った。
時間は来た。日本と中国の選手一同が一列に並び、国歌斉唱。
(どうせ『君が代』の時に観客総出で大ブーイングだろ? 分かってんだよ……全く、ワンパターンな国だ……て、アレ?)
ブーイングが無い。静か過ぎる。
これはおかしい。この国に限って「反省」など有り得ない筈だが。 まあ、こんな国にも思う所あったのかもしれない。イヤイヤ、そんな事は絶対に無い、これは何かの……イヤイヤ……。
こんな感じで「いろんな裏」を考えているうちにゲーム開始。
「ああ、クソ! 惜しいなあ、早く点入れちまえよ!!」
「おい、今あいつ反則しなかったか!? 流石だよ、汚い奴らだ!!」
「日本側にいるアレックスって奴、お前の友達だろ?」
「名前が一緒なだけだ、ファッキンレミめ!」
試合観戦で徐々に興奮して声を荒げ出したフランス人二人の横で、当の日本人たる自分は、ただ黙々と目の前の焼肉を食い続けた。
(まあ、どっちが勝っても別に俺には関係無いけど……でも、でも……もし日本が負けたら、それはそれでちょっと悔しいかな)
これが当時の自分の偽らざる心情である。往々にしてこういう態度の男はあまり好かれない。
それにしても、不気味な程に静かな試合だ。当方の予想を大幅に裏切り、中国の観客は随分と控えめな応援の様子。
(まさか、事前に政府が指導したのか? いや、そんな高度な芸当が出来るとは思えない)
そんな事を考えているうちに、中国に点を与えてしまった日本チーム。現場で盛り上がる中国人観客と、その様子をテレビで観て歓喜する中国人はシンクロしていた。
その時点では、状況は1対1であった。試合はまだこれからだ。しかし、
「クソ、イライラする! もういい、マッサージ行くぞ!!」
かなり短気な性格であるレミはなかなか点が取れない日本に苛立つあまり、とうとうサッカー観戦自体を途中で止めてしまった。
怒ったレミに引きずられるように、3人は焼肉屋を後にした。日本代表チームの不甲斐無さを嘆きつつ歩いた3人(実際に嘆いていたのはフランス人2名のみ)が向かった場所は、いきつけのマッサージ屋。自分は、後々もよくこの店に通った。連日の練習で痛めつけられた身体を癒し、ついでに心も癒し、すっかり御満悦の外人3人組。
マッサージ屋を出る時、レミが思い出したように店員に、
「ああそうだ、サッカーはどっちが勝ったか知ってるかい?」
と訊ねた。店員はブスっとした顔で愛想なく「3対1で日本が勝ったよ」とだけ答えた。自分の国が負けたのだから、こういう態度でも仕方がないだろうと自分は考えた。
しかし、アレックスとレミは店員のその発言をを耳にするなり、狂喜乱舞し、自分に満面の笑みを向けて言った。
「おい聞いたか、日本が勝ったってよ! しかも3対1だぜオイ! ウオオオ、日本が勝った、中国に勝った、ワーイ! おめでとう、きっとお前にも良い事あるぜ? これは祝福の握手だ、おめでとう、本当におめでとう!」
そう言って2人は日本人たる自分の手を握り締め、その手をブンブンブンブンと、お池の周りに野薔薇が咲いたが如くの勢いで振り回した。自分も「何だ、コイツらのこのテンションは……」と思いつつも、顔はしっかりとニヤけていて、この2人と一緒に日本の勝利を喜んだ。
しかし、嬉しいと思う反面、武術隊の連中とは顔を合わせたくない気分でもあった。彼らは彼らで、母国たる中国の勝利を堅く信じてたのだから。今でこそ仲良くやっていけてる訳だけど、元々は日本人嫌いが多いし、もしかしたら嫌味の一つも言われるかもしれない、若しくは自分にそうするのは甚だお門違いだと分かっていても冷たい視線が飛んでくるかもしれない。日本が勝った事に喜び勇んで親指を上に向けたいのに何故か後ろ指を差されているそうな、そんな理不尽さを感じた。普段通り、大人しく練習に集中していよう。自分はそう決心した。
そう思ったら、次の日は運良く日曜日で、練習は休みだった。なんだかホッとした。
しかし。
<試合終了2日後>
「イエ~イ、3対1、3対1!! やったやった~~~!!」
武術館でレミの浮かれた声が響く。
頼むから、日本の勝利を声高に宣言するのは止めてくれ! 皆がレミじゃなくて俺を見てるんだよ……! しかもどう見ても友好的な眼差しじゃないし……レミの日本を愛する気持ちは嬉しいが、ああ、困った……。
<試合終了20日後>
我が日本的朋友、黒豆氏が日本から戻ってきた。2ヶ月ぶりの再会に喜び合う2人。
「そういえば、サッカー見ました? あの中国が全くブーイングをしてなかったんですよ。彼らも進歩したんですねえ」
笑いながらこう言った自分に対し、黒豆氏は頭に「?」を無数に浮かべながら答えた。
「……そんな筈はないでしょう。僕もニュースで見ましたけど、それはもうひどいブーイングの嵐でしたよ。『君が代』斉唱の時は勿論、日本側にボールが渡っただけでブーブーブーブー、それはもう豚の様に叫んでましたが」
「え……? でも、こっちのテレビじゃエライ静かだったんですよ」
こう反論した自分に、黒豆氏は少し考える素振りを見せて、程無くしてこう答えた。
「恐らく人民に『我ら中国人民はこんなに礼儀正しいんだ』という事を印象付ける為、音声を編集したんでしょうね。いかにもこの国のやりそうな事です」
「はあ……正に中国のやる事ですね……」
全ては偽りの静寂の中で行われた試合。何とも後味の悪い結末であった。
-------------------------
今回の留学記からは中国に対する反感が他の記事以上に感じられると思うのですが、それもこれも現地で色々と嫌な思いをしたからだ(特にアレックス辺りは)と察して頂けると助かります。
ちなみに虎泉は当時と今とではかなり様変わりしました。その目覚しい発展に驚く一方で、ほんの少しだけ寂しくも思ってしまいますね。

何気ない路地裏が、結構好きです。
2010年01月25日
出演決定!

こんにちは、武研大分代表です。
今年も『大分県根っ子の会歌謡祭』に当団体が出演します!
去年の表演が非常に評判が良かったそうで、再び出演依頼が舞い込んできました。事前でのメンバー及び表演内容変更があったにもかかわらず、皆様に感動が与えられた事は非常に嬉しいです。
今年は5月2日(日)と去年よりも少々早めですが、既に代表の頭の中では今年はどういう構成にしようか、色々なアイディアが渦巻いている最中です。まだ4ヶ月も先ですが、その他のイベントも考えると楽観は出来ない状況です。早々に構成と表演内容を決定し、またもや観客の皆様を魅了する表演が行えるよう、メンバー一同修練に励みます!!
詳しい事が分かり次第、当ブログで告知していきます!!
2010年01月24日
三毛・その9 三毛vs凍て付く三十五毛
こんばんは、武研大分代表です。
以前の記事で少し書いた通り、今日は王将に行こうと近くまで寄ったのですが、あまりの人の多さに心挫け、結局王将で食べる事叶いませんでした。しかしながら、大分に出来たのは「大阪王将」であって「餃子の王将」ではないそうで、この辺の事をちょこっと調べてみたのですが……なるほど、色々とあるんですね。
言ってみれば、「武研のMARS」に対して「大分MARS」と名乗っているようなものでしょうか。
て、全然違いますね。
さて、今日も留学記、いってみましょう!!
--------------------------
2004年、武漢体育学院留学時代の夏。ちょうど学校は夏休みの時期だった。
「中国三大釜戸」と呼ばれる、灼熱たる夏の武漢に残る物好きな留学生など、武漢中の何処の大学を見てもほぼ皆無で、自分はその物好きな留学生の1人だった。1年間の滞在を予定しているのに、何かある度に帰国していては技術がロクに身に付かないだろう、と考えたのがその理由であるが、その判断は正しかった。灼熱の武漢で培われた技術は、自分にとって確実にプラスとなっていった事が、今ではよく分かる。
それにしても、夏の武漢は熱い(最早「暑い」という代物ではない)。何しろ最高気温は45℃。天然サウナである。 聞いた話によると、この国には「気温が40℃以上になったら労働禁止」という法律があるのだが、労働効率の低下を恐れる政府は温度を意図的に低く発表するらしい。だから、実際の温度はもっと高かったのではないかと推測される。
夏休みと言えど、学校の看板を背負うエリート集団である武漢体育学院武術隊には「休み」というものは存在しなかった。当時、武術隊と共に練習を行なっていた自分は、夏休みにおいても普段と変わらず練習に励んだ。外がサウナなら、武術館内はボイラーそのものと言ってよい。クーラーなどといった気の利いた物など無い。申し訳無さ程度に巨大扇風機が幾つか配備されているが、それは涼風というよりは「熱風」を送り出すに等しい。御蔭様で、自分は日本に帰って来てからというもの、日本の夏を「暑い」と思えなくなった。これに対しては素直に感謝している。
そんな酷暑の中で上着を着て練習する者は、濃い胸毛を気にしていたアレックス以外は一人もいなかった。自分も最初こそ上着を脱ぐ事を潔しとしなかったが、とにかく上着が肌に貼りついて非常に気持ちが悪く、それが気になって練習にならなかったので結局は上着を威勢良く脱ぎ捨てて、周りの連中と一緒に上半身裸で練習したものだ。
また、自分は元々が汗っかきである。よく一緒に練習していた武術隊のメンバーから、
「お、練習前にシャワー浴びてきたのか、いいなあ」
などと言われてしまう程に物凄い量の汗が吹き出る。出る汗の量が凄いなら飲む水の量も凄く、午前の練習だけで3リットルは平気で飲んでしまう。午後と合わせれば、なんと6リットルだ。しかし、それくらいは飲んでいないと脱水症状を起こしかねない、 そんな地獄のような日々だったと記憶している。
そういう訳で、自分とアレックスは前の日の晩に2ℓペットボトル(3.5元=35毛)に水を入れて凍らせ、午前の練習前にはちょうど飲めるように溶かして持って行くのが日課となっていた。
そして、ある日の練習。この日も普段の練習日と変わらない……筈だった。
武術館に着いた自分はすぐに圧腿(武術式柔軟体操)を始め、身体をほぐしていった。しかし、どういう訳かアレックスの奴はまだ動き始めず、 彼が持ってきたペットボトルをじっと見つめていた。
(何してんだ? また後ろから「クリリンさ~ん!」 とか言って抱きついてくるつもりか……?)
自分はそう思って背後からの奇襲に備えたのだが、どうも違うようだ。そのうち彼は、まだ中身の凍ったペットボトルを持ったまま立ち上がり、そのまましばらく直立不動の姿勢を保ち続けた。一体何を考えているのか?
「ねえ、何やってんの?」
こう尋ねた自分に、アレックスは極めて真面目に、落ち着いた低い声で、静かにこう答えた。
「……硬功夫(いんごんふう)……」
もしかしてテレビでよく見かける、頭でレンガを割ったりするアレなのか。今では最早見世物に等しい存在だが、今この場でそれに挑戦するというのか。「何故」「何の為に」といった浅はかな疑問は、厳かな表情でペットボトルを見つめる彼の前には全くの無力である。
そのうち彼は、直立不動だった姿勢を馬歩(※)に変えた。本当にやる気だ。分厚い氷塊たる2リットルペットボトルを両手で抱え、そのタイミングを見計らっている。蒸し暑い武術館内の中で、彼とその周囲だけが心なしか冷えてきたような感覚に囚われ、空気も幾許かの緊張に包まれた。若しくは、練習前だというのに一向に準備をしない者に対する冷たい視線だったかもしれないが。
そして、彼は自身の持てる力を総動員させて、勢いよく、強く、フォルテフォルティッシモにペットボトルを頭に打ちつけたのだった。その響きは、悲しいまでに鈍かった事を、自分は今でも忘れる事が出来ないでいる。
「ウギャアアアアアーーーーーーー!!!!」
「ギャハハハハハハハハハ!!!!!!」
額を押さえてのたうち回るアレックスと、大きい音を立てて彼の足下に転がるペットボトル。そして、腹を抱えて別の意味でのたうち回る自分。中身の氷塊にはヒビ1つ入っておらず、己の存在を力強く主張するが如く照り付ける太陽の光を浴びて瑞々しい輝きを保っていた。ラテン系フランス人を一体駆逐せしめた事を誇りに思うが如く。常日頃より融通の効かない事を言って自分を困らせてくる彼の頭の硬さを以ってしても 氷塊を粉砕する事は不可能であったようだ……カタサ違いか。
しかし、彼の脳髄には確実にヒビが入ったようだ。
「Oh no,fuck'in,stupid,putain!!!」
額を押さえつつ極めて品格に欠ける英語とフランス語のスラング罵声を誰ともなしに浴びせかける彼を前にして、自分はどうする事も出来なかった……というよりは、大爆笑しててそれどころではなかったのだ。彼には悪いが、あまりにもおかし過ぎて、練習前に脱水症状になりそうだった。 第一、自分でやっておいて「fuck'in」もないだろう。本当にこの男は……。
こんなクレイジーな留学生共の様子を遠目から見ていた武術隊メンバーは、こう思った事だろう。
「武漢の暑気にやられると、ああなっちまうんだな……気をつけよう」
その日の大爆笑練習が終わり、自分はその頃には落ち着いていた彼に向かって、改めて訊ねてみた。
「痛かった?」
「……ああ……」
アレックスは未だ痛みの収まらない額を手で押さえてながら、力なくこう答えた。
彼に痛恨の一撃を与えたペットボトルの中身は練習中に全て飲み干されてしまったので、既に空っぽのペラペラであった。表に「可口可楽(コカ・コーラ)」と書かれた、そんなドデカいペットボトルだったが、中身がなければペコっと凹むだけで、威力も皆無である。完全な自爆とはいえ、証拠も何も残らない完全犯罪だ。
「いけると思ったんだけどなあ……」
帰り道の途中、アレックスはボソっと呟いた。
フランス人のジョークが極めて過激である事、そして、何処の国にもカーツ佐藤氏の如き「愛すべき馬鹿」は存在するのだという事を、自分は今回の事件で思い知らされた。今となっては、こんなはっちゃけた日々であったからこそ、あのクチャクチャな人権無視の練習メニューにも何とか耐えられたのだと思う。
様々な意味で、いい思い出だ。
(※)<馬歩とは?>
足を3、4足分程開いて、そのまま腰を落としてみよう。概ねそんな感じの歩型。太腿と地面が平行になる位にまで腰を落とすのが理想である。中国武術においてかなり重要な位置を占める歩型。

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今回の日記のように自分の頭の硬さに自信があっても、よいこは真似をしてはいけません。
以前の記事で少し書いた通り、今日は王将に行こうと近くまで寄ったのですが、あまりの人の多さに心挫け、結局王将で食べる事叶いませんでした。しかしながら、大分に出来たのは「大阪王将」であって「餃子の王将」ではないそうで、この辺の事をちょこっと調べてみたのですが……なるほど、色々とあるんですね。
言ってみれば、「武研のMARS」に対して「大分MARS」と名乗っているようなものでしょうか。
て、全然違いますね。
さて、今日も留学記、いってみましょう!!
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2004年、武漢体育学院留学時代の夏。ちょうど学校は夏休みの時期だった。
「中国三大釜戸」と呼ばれる、灼熱たる夏の武漢に残る物好きな留学生など、武漢中の何処の大学を見てもほぼ皆無で、自分はその物好きな留学生の1人だった。1年間の滞在を予定しているのに、何かある度に帰国していては技術がロクに身に付かないだろう、と考えたのがその理由であるが、その判断は正しかった。灼熱の武漢で培われた技術は、自分にとって確実にプラスとなっていった事が、今ではよく分かる。
それにしても、夏の武漢は熱い(最早「暑い」という代物ではない)。何しろ最高気温は45℃。天然サウナである。 聞いた話によると、この国には「気温が40℃以上になったら労働禁止」という法律があるのだが、労働効率の低下を恐れる政府は温度を意図的に低く発表するらしい。だから、実際の温度はもっと高かったのではないかと推測される。
夏休みと言えど、学校の看板を背負うエリート集団である武漢体育学院武術隊には「休み」というものは存在しなかった。当時、武術隊と共に練習を行なっていた自分は、夏休みにおいても普段と変わらず練習に励んだ。外がサウナなら、武術館内はボイラーそのものと言ってよい。クーラーなどといった気の利いた物など無い。申し訳無さ程度に巨大扇風機が幾つか配備されているが、それは涼風というよりは「熱風」を送り出すに等しい。御蔭様で、自分は日本に帰って来てからというもの、日本の夏を「暑い」と思えなくなった。これに対しては素直に感謝している。
そんな酷暑の中で上着を着て練習する者は、濃い胸毛を気にしていたアレックス以外は一人もいなかった。自分も最初こそ上着を脱ぐ事を潔しとしなかったが、とにかく上着が肌に貼りついて非常に気持ちが悪く、それが気になって練習にならなかったので結局は上着を威勢良く脱ぎ捨てて、周りの連中と一緒に上半身裸で練習したものだ。
また、自分は元々が汗っかきである。よく一緒に練習していた武術隊のメンバーから、
「お、練習前にシャワー浴びてきたのか、いいなあ」
などと言われてしまう程に物凄い量の汗が吹き出る。出る汗の量が凄いなら飲む水の量も凄く、午前の練習だけで3リットルは平気で飲んでしまう。午後と合わせれば、なんと6リットルだ。しかし、それくらいは飲んでいないと脱水症状を起こしかねない、 そんな地獄のような日々だったと記憶している。
そういう訳で、自分とアレックスは前の日の晩に2ℓペットボトル(3.5元=35毛)に水を入れて凍らせ、午前の練習前にはちょうど飲めるように溶かして持って行くのが日課となっていた。
そして、ある日の練習。この日も普段の練習日と変わらない……筈だった。
武術館に着いた自分はすぐに圧腿(武術式柔軟体操)を始め、身体をほぐしていった。しかし、どういう訳かアレックスの奴はまだ動き始めず、 彼が持ってきたペットボトルをじっと見つめていた。
(何してんだ? また後ろから「クリリンさ~ん!」 とか言って抱きついてくるつもりか……?)
自分はそう思って背後からの奇襲に備えたのだが、どうも違うようだ。そのうち彼は、まだ中身の凍ったペットボトルを持ったまま立ち上がり、そのまましばらく直立不動の姿勢を保ち続けた。一体何を考えているのか?
「ねえ、何やってんの?」
こう尋ねた自分に、アレックスは極めて真面目に、落ち着いた低い声で、静かにこう答えた。
「……硬功夫(いんごんふう)……」
もしかしてテレビでよく見かける、頭でレンガを割ったりするアレなのか。今では最早見世物に等しい存在だが、今この場でそれに挑戦するというのか。「何故」「何の為に」といった浅はかな疑問は、厳かな表情でペットボトルを見つめる彼の前には全くの無力である。
そのうち彼は、直立不動だった姿勢を馬歩(※)に変えた。本当にやる気だ。分厚い氷塊たる2リットルペットボトルを両手で抱え、そのタイミングを見計らっている。蒸し暑い武術館内の中で、彼とその周囲だけが心なしか冷えてきたような感覚に囚われ、空気も幾許かの緊張に包まれた。若しくは、練習前だというのに一向に準備をしない者に対する冷たい視線だったかもしれないが。
そして、彼は自身の持てる力を総動員させて、勢いよく、強く、フォルテフォルティッシモにペットボトルを頭に打ちつけたのだった。その響きは、悲しいまでに鈍かった事を、自分は今でも忘れる事が出来ないでいる。
「ウギャアアアアアーーーーーーー!!!!」
「ギャハハハハハハハハハ!!!!!!」
額を押さえてのたうち回るアレックスと、大きい音を立てて彼の足下に転がるペットボトル。そして、腹を抱えて別の意味でのたうち回る自分。中身の氷塊にはヒビ1つ入っておらず、己の存在を力強く主張するが如く照り付ける太陽の光を浴びて瑞々しい輝きを保っていた。ラテン系フランス人を一体駆逐せしめた事を誇りに思うが如く。常日頃より融通の効かない事を言って自分を困らせてくる彼の頭の硬さを以ってしても 氷塊を粉砕する事は不可能であったようだ……カタサ違いか。
しかし、彼の脳髄には確実にヒビが入ったようだ。
「Oh no,fuck'in,stupid,putain!!!」
額を押さえつつ極めて品格に欠ける英語とフランス語のスラング罵声を誰ともなしに浴びせかける彼を前にして、自分はどうする事も出来なかった……というよりは、大爆笑しててそれどころではなかったのだ。彼には悪いが、あまりにもおかし過ぎて、練習前に脱水症状になりそうだった。 第一、自分でやっておいて「fuck'in」もないだろう。本当にこの男は……。
こんなクレイジーな留学生共の様子を遠目から見ていた武術隊メンバーは、こう思った事だろう。
「武漢の暑気にやられると、ああなっちまうんだな……気をつけよう」
その日の大爆笑練習が終わり、自分はその頃には落ち着いていた彼に向かって、改めて訊ねてみた。
「痛かった?」
「……ああ……」
アレックスは未だ痛みの収まらない額を手で押さえてながら、力なくこう答えた。
彼に痛恨の一撃を与えたペットボトルの中身は練習中に全て飲み干されてしまったので、既に空っぽのペラペラであった。表に「可口可楽(コカ・コーラ)」と書かれた、そんなドデカいペットボトルだったが、中身がなければペコっと凹むだけで、威力も皆無である。完全な自爆とはいえ、証拠も何も残らない完全犯罪だ。
「いけると思ったんだけどなあ……」
帰り道の途中、アレックスはボソっと呟いた。
フランス人のジョークが極めて過激である事、そして、何処の国にもカーツ佐藤氏の如き「愛すべき馬鹿」は存在するのだという事を、自分は今回の事件で思い知らされた。今となっては、こんなはっちゃけた日々であったからこそ、あのクチャクチャな人権無視の練習メニューにも何とか耐えられたのだと思う。
様々な意味で、いい思い出だ。
(※)<馬歩とは?>
足を3、4足分程開いて、そのまま腰を落としてみよう。概ねそんな感じの歩型。太腿と地面が平行になる位にまで腰を落とすのが理想である。中国武術においてかなり重要な位置を占める歩型。

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今回の日記のように自分の頭の硬さに自信があっても、よいこは真似をしてはいけません。
2010年01月23日
2009年活動記録DVD
こんばんは、武研大分代表です。
2009年の活動をまとめたDVDが完成しました!
今回の表紙はこんな感じです。

師弟でビシっと決まったポーズを使ってもらえて光栄です!!
収録内容は、
・北九州発表交流会
・コスモス祭り
・おおざいワッショイ
・佐賀関ふるさとまつり
・九州沖縄ブロック・ジュニア大会
……です。
現在の所は身内でのみ配布しておりますが、もし「ブログには色々書いてあるけど、実際に武研大分がどんな事をしているのか気になる……観てみたいなあ」という方がいらっしゃれば、御一報下さいませ。
2009年の活動をまとめたDVDが完成しました!
今回の表紙はこんな感じです。

師弟でビシっと決まったポーズを使ってもらえて光栄です!!
収録内容は、
・北九州発表交流会
・コスモス祭り
・おおざいワッショイ
・佐賀関ふるさとまつり
・九州沖縄ブロック・ジュニア大会
……です。
現在の所は身内でのみ配布しておりますが、もし「ブログには色々書いてあるけど、実際に武研大分がどんな事をしているのか気になる……観てみたいなあ」という方がいらっしゃれば、御一報下さいませ。
2010年01月22日
三毛・その8 フレンチ神風特攻隊
こんにちは、武研大分代表です。
今週はずっと暖かくて、とても過ごしやすかったですね。反面、冬の寒さがぶり返した時に風邪を引いてしまわないか、まだ引いてもないのに戦々恐々としています。手洗い・うがいだけで結構防げるものですから、安易に薬に頼る事なく、この冬を健康体で乗り切っていきたいと思います!!
近頃更新が頻繁なのは、一週間休まずにブログを書いてみようと思い立ったからです。と言っても既に書いてあるものを手直しして掲載するだけなのですが、このままアップしたら色々とヤバそうな所は修正していく為、これが結構時間かかるんですよ……結局、普通に記事を書くのと変わらない時間を費やした末が、皆様が御覧になってる留学記なんですね。
それでは、今回も留学記をどうぞ!!
-------------------------------
あれは2004年の9月頃だったであろうか。
「おい、晩飯食いに行こうぜ!!」
隣の部屋からアレックス(三毛)がやって来た。
武漢に来て4ヶ月近く経つというのに彼は中国語が全く話せなかった為、誰かが一緒について行かないと、飯の注文すらままならなかったのだ。そんな事もあって、晩飯はよく彼と一緒に食べた。まあ、その時の注文は自分が全て行う訳だが。
武漢体育学院の近くにある食堂街をブラブラしながら、2人は今夜の飯所を物色した。
「今日は何処に行く?」
「あそこはどうだ?」
彼が指差したのは、何の変哲もない串焼きの店。
「別に構わんが、串焼きならいつも行く店があるだろう。それじゃいかんのか?」
「最近知ったんだけど、あそこに可愛い子がいてさ」
「……へえ……」
美女・美少女の類を見ると本当に見境無い奴であった。
自分はアレックスの言うままにその店へと入り、「要什么?」と訊ねてきた少女をそれとなく観察した。仕事が忙しく身なりに構う余裕が無いのか、着ているものは粗末ではあったものの、長く美しい髪と大きい瞳を持ち、顔立ちも整っている。アレックスでなくとも惚れてしまいそうな、そんな可愛い娘だ。
「うん、お前の言う通りだ。確かに可愛いな」
「だろ!? だから、最近晩飯はいつもここで食べるんだ」
アレックスは鼻の下を伸ばしながら答えた。気色悪い奴だ。
注文されたものを持って来た少女を副菜としながら、自分とアレックスは次々にチャイニーズバーベキューを胃に収めていった。そして、彼女をもっとよく見たくて盛んに注文を繰り返した。その度に我々にジーっと見つめ続けられていた少女は、明らかに困惑していた。 「照れている」という類のものではなく、どちらかと言えば「迷惑」の範疇に入るものであった。しかし、
「ハハハ、見ろよ、彼女は恥かしがってるぜ」
「……ああ、そうみたいだな」
「よし、いける! 俺は明日、彼女にアタックするぞ!!」
自分は思わず、それまでくわえていた串を紋次郎のように吐き出してしまった。確かに手が早い奴だったが、まさかここまでとは。
「彼女と話した事は?」
「ないよ。何故か分からないけど、そうしようと思ったらいつも逃げられるんだ」
「嫌われてるんじゃないか?」
「いいや、そんな訳がない。彼女はきっと恥かしがり屋なんだよ、大丈夫!!」
いやはや、「自分が嫌われているという可能性」を一切合財否定出来るこの自信は、一体どこから来るのだろうか? ここまで積極的且つプラス思考だと、本当に羨ましい。 最近メディアが一生懸命流行らせようとしている肉食だとか草食だとかの言葉で言えば、アレックスは間違いなく肉食系男子の鑑である。
そして、次の日。
この日、自分は武術練習の影響で悲鳴を上げていた腰と太腿に針を計9本打ち、病院でも悲鳴を上げて瀕死の状態であった為、何もやる気がせず、たとえ飯の為だとしても、極力外には出たくなかった。
参考までに、この日に書いた日記より。原文ママ。
「きょう、びょういんにいきました。はりをこしとふとももにうたれました。たぶん、きゅうほんくらいはうたれました。いたかったです。」
……あまりの激痛に、脳にも影響が出ていたようだ。
とはいえ、腹はどうしても減る。このまま食べなければ明日の練習に差し支えるので、食べない訳にはいかない。自分は腰と足を引きずり、アレックスと日本的朋友(仮名・黒田豆三郎左衛門肉吉、通称黒豆氏)との3人でいつも通り食堂街へ出かけ……なかった。
「今日は何処で食べるんだ?」
「花屋に行くぞ」
「……知らないかもしれないから一応言っておくが、中国では花屋でバーベキューを食べられないぞ」
「当たり前だstupid guy! 薔薇を買うんだよ、一緒に来てくれ」
「薔薇? 何で?」
「あの子にあげるんだ」
……どうやら、昨日の告白宣言は本気だったようだ。
「どうします?」
「面白いから、勝手にさせておきましょう」
自分と朋友・黒豆氏はこの非常事態に対し、ひとまず静観を決め込んだのであった。
花屋で薔薇を2本買い、今回は別の所で晩飯を済ませた。その後、3人は幾分の緊張を従えながらも件の串焼き屋に足を運んだ。
しかし、そこにアレックスお目当ての女の子はいなかった。
「おかしいな~、何でいないんだろ? おい、彼女を中国語で呼んでくれよ!!」
アプローチの段階から他人任せ。そんなんでも、お付き合いさえ出来ればいいのか、コイツは?
「マジか!! 勘弁してくれよ……手伝ってもらえます?」
黒豆氏の助けを借りつつ、自分は主人に恐る恐る尋ねた。
「あの~、ここにもう一人女の子がいましたよね?」
「? ああ、ちょっと待ってろ……お~い、誰か知らんがお前を呼んでるぞ!!」
主人は我々を訝しげに観察しつつも、案外簡単に女の子を呼んでくれた。
周囲の喧騒に聞き耳を立てて幾数分、果たして女の子は2階から下りて来た。心なしか震えているようだった。しかし、そんな少女の様子などお構いなしに、アレックスの奴はここぞとばかり背中に隠していた薔薇を出した。そして、極めて真面目な顔を以って、
「I love you……」
と言いかけた所で、女の子が泣きそうな顔をした。(もしかして、突然の告白に感動したのか?)と思ったのは浅はかで、彼女は突然声にならない嗚咽を大声で上げながら、奥に引っ込んでしまった。
アレックスの告白は空前絶後の大失敗。
そこへ、少女の代わりにそこの店の強そうな女将さんが出て来て、
「コラ、アレはまだ子供なんだ! 手を出すと私が容赦しないよ、早く帰れ、帰れ!!」
と、物凄い剣幕で自分等3人に怒鳴りまくった。こりゃたまらん。
(何で俺達まで!?)
アレックスの馬鹿野郎の所為で、完全にとばっちりを食った形だ。受け取りを拒否された薔薇を前に突き出したまま呆然とするアレックスと、彼の手前勝手な都合に有無も言わさず巻き込まれた日本人2人。この騒動を、周りの食堂の店員や通行人も立ち止まって一連の出来事をずっと見ていたようで、気がつけば我々の周囲には人だかりが形成されていた。この時は本当に恥かしかった。
と、そんなアホの子状態の3人に、今度は串焼き屋の主人が低い声で、
「……お前ら、まだ居やがるのか、とっとと帰らんかあ!!」
と叫んだ。手には獣肉を刻んだであろう包丁。 何も関係ないのに、ここで人肉饅頭にされてはたまらん。次の日の串焼きメニューに載る事を恐れた3人は、「ヒエ~!!」とばかりにその場を離れ、トボトボと早々と帰路に着いたのであった。
この件は、女遊びに慣れているアレックスにとっては意外にもショックだったようだ。
「ウワ~~~ン!!」
と顔を天に向けて叫ぶ奴など初めて見た。しかし考えてみれば、彼の近くにいたのは今まで西洋人と聞くだけでついて来るような頭も尻も軽い女ばかりだったから、彼にしてみれば、この少女のように純粋で頑なな態度は、彼にとっては本当に予想外な行動だったのだろう。
しかし、そんなアレックスの肩に手をそっと置いて慰める一方で、
「……見てて面白かったですね」
「実は僕もそう思いました」
日本人同士では密かにこんな会話。なんて他人事。
留学生宿舎に着き、アレックスが
「今日というこの日を忘れない為に、この薔薇を入り口に飾っておこう」
などと訳の分からない事を言い出し、少女に渡し損ねた薔薇を十字に重ねて、門にセロテープで貼り付けた。そして、早々に床に就いてしまったのであった。
門に貼り付けられた薔薇をしげしげと見つつ、自分は(なかなかにロマンチックな事をする奴だなあ)と思ったが、すぐにその考えを否定するに至った……ちょっと待てよ?
・この部屋には男2人「だけ」が住んでいる
・ドアノブには「DO NOT DISTURB(起こすな)」の掛け看板
・しかも入り口には薔薇
自分はこの時、思わず『薔薇族』を連想してしまった。
「こいつはいかん!! おい起きろ、起きろよテメエ!!!」
自分は血相を変えてアレックスにそれを外させようとしたが、失恋のショックから既に不貞寝してしまった彼を現実に呼び戻す事は叶わなかった。かと言って、勝手に外せば「俺の思い出を無下にしやがって!」などと怒り出す事は明らか、結局はその薔薇族ドアを放置せざるを得なかったのであった。
なお、その薔薇は自分が帰国するまでずっと飾られていて、それが次第に枯れていく様は、あたかもアレックスがその後に味わう「武術スランプ」の様子をそのまま如実に表しているようでもあった。
この世は無常且つ無情なり。
そして、客に屈託無き愛嬌を振り撒いていたあの女の子も、自分を見るや否や「長年探していた宿敵を遂に発見したような鋭い眼光」を以って自分を睨むようになってしまった。こうして、自分と朋友は武漢滞在中にあの店に二度と行けなくなってしまったのであった。全く、とばっちりにも程がある。
後日談。
「タクシ、紹介するよ。キティっていうんだ」
長身の中国美人を連れてきたアレックスは、自分に彼女をこう紹介した。ニヤニヤしたその顔は、ルームメイトでなければ撲殺に値する程憎らしかった。
----------------------------
「愛」という字から心を無くすと「受」になります。恋愛に対して受け身でいるうちは、成就は難しいのかもしれません。その点、彼の凄まじい行動力を見習っていきたいものではありますね。
……え、そうでもないって?

癒しとして(?)、武漢動物園で見た四不象(スーブーシャン)の写真でも、どうぞ。
今週はずっと暖かくて、とても過ごしやすかったですね。反面、冬の寒さがぶり返した時に風邪を引いてしまわないか、まだ引いてもないのに戦々恐々としています。手洗い・うがいだけで結構防げるものですから、安易に薬に頼る事なく、この冬を健康体で乗り切っていきたいと思います!!
近頃更新が頻繁なのは、一週間休まずにブログを書いてみようと思い立ったからです。と言っても既に書いてあるものを手直しして掲載するだけなのですが、このままアップしたら色々とヤバそうな所は修正していく為、これが結構時間かかるんですよ……結局、普通に記事を書くのと変わらない時間を費やした末が、皆様が御覧になってる留学記なんですね。
それでは、今回も留学記をどうぞ!!
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あれは2004年の9月頃だったであろうか。
「おい、晩飯食いに行こうぜ!!」
隣の部屋からアレックス(三毛)がやって来た。
武漢に来て4ヶ月近く経つというのに彼は中国語が全く話せなかった為、誰かが一緒について行かないと、飯の注文すらままならなかったのだ。そんな事もあって、晩飯はよく彼と一緒に食べた。まあ、その時の注文は自分が全て行う訳だが。
武漢体育学院の近くにある食堂街をブラブラしながら、2人は今夜の飯所を物色した。
「今日は何処に行く?」
「あそこはどうだ?」
彼が指差したのは、何の変哲もない串焼きの店。
「別に構わんが、串焼きならいつも行く店があるだろう。それじゃいかんのか?」
「最近知ったんだけど、あそこに可愛い子がいてさ」
「……へえ……」
美女・美少女の類を見ると本当に見境無い奴であった。
自分はアレックスの言うままにその店へと入り、「要什么?」と訊ねてきた少女をそれとなく観察した。仕事が忙しく身なりに構う余裕が無いのか、着ているものは粗末ではあったものの、長く美しい髪と大きい瞳を持ち、顔立ちも整っている。アレックスでなくとも惚れてしまいそうな、そんな可愛い娘だ。
「うん、お前の言う通りだ。確かに可愛いな」
「だろ!? だから、最近晩飯はいつもここで食べるんだ」
アレックスは鼻の下を伸ばしながら答えた。気色悪い奴だ。
注文されたものを持って来た少女を副菜としながら、自分とアレックスは次々にチャイニーズバーベキューを胃に収めていった。そして、彼女をもっとよく見たくて盛んに注文を繰り返した。その度に我々にジーっと見つめ続けられていた少女は、明らかに困惑していた。 「照れている」という類のものではなく、どちらかと言えば「迷惑」の範疇に入るものであった。しかし、
「ハハハ、見ろよ、彼女は恥かしがってるぜ」
「……ああ、そうみたいだな」
「よし、いける! 俺は明日、彼女にアタックするぞ!!」
自分は思わず、それまでくわえていた串を紋次郎のように吐き出してしまった。確かに手が早い奴だったが、まさかここまでとは。
「彼女と話した事は?」
「ないよ。何故か分からないけど、そうしようと思ったらいつも逃げられるんだ」
「嫌われてるんじゃないか?」
「いいや、そんな訳がない。彼女はきっと恥かしがり屋なんだよ、大丈夫!!」
いやはや、「自分が嫌われているという可能性」を一切合財否定出来るこの自信は、一体どこから来るのだろうか? ここまで積極的且つプラス思考だと、本当に羨ましい。 最近メディアが一生懸命流行らせようとしている肉食だとか草食だとかの言葉で言えば、アレックスは間違いなく肉食系男子の鑑である。
そして、次の日。
この日、自分は武術練習の影響で悲鳴を上げていた腰と太腿に針を計9本打ち、病院でも悲鳴を上げて瀕死の状態であった為、何もやる気がせず、たとえ飯の為だとしても、極力外には出たくなかった。
参考までに、この日に書いた日記より。原文ママ。
「きょう、びょういんにいきました。はりをこしとふとももにうたれました。たぶん、きゅうほんくらいはうたれました。いたかったです。」
……あまりの激痛に、脳にも影響が出ていたようだ。
とはいえ、腹はどうしても減る。このまま食べなければ明日の練習に差し支えるので、食べない訳にはいかない。自分は腰と足を引きずり、アレックスと日本的朋友(仮名・黒田豆三郎左衛門肉吉、通称黒豆氏)との3人でいつも通り食堂街へ出かけ……なかった。
「今日は何処で食べるんだ?」
「花屋に行くぞ」
「……知らないかもしれないから一応言っておくが、中国では花屋でバーベキューを食べられないぞ」
「当たり前だstupid guy! 薔薇を買うんだよ、一緒に来てくれ」
「薔薇? 何で?」
「あの子にあげるんだ」
……どうやら、昨日の告白宣言は本気だったようだ。
「どうします?」
「面白いから、勝手にさせておきましょう」
自分と朋友・黒豆氏はこの非常事態に対し、ひとまず静観を決め込んだのであった。
花屋で薔薇を2本買い、今回は別の所で晩飯を済ませた。その後、3人は幾分の緊張を従えながらも件の串焼き屋に足を運んだ。
しかし、そこにアレックスお目当ての女の子はいなかった。
「おかしいな~、何でいないんだろ? おい、彼女を中国語で呼んでくれよ!!」
アプローチの段階から他人任せ。そんなんでも、お付き合いさえ出来ればいいのか、コイツは?
「マジか!! 勘弁してくれよ……手伝ってもらえます?」
黒豆氏の助けを借りつつ、自分は主人に恐る恐る尋ねた。
「あの~、ここにもう一人女の子がいましたよね?」
「? ああ、ちょっと待ってろ……お~い、誰か知らんがお前を呼んでるぞ!!」
主人は我々を訝しげに観察しつつも、案外簡単に女の子を呼んでくれた。
周囲の喧騒に聞き耳を立てて幾数分、果たして女の子は2階から下りて来た。心なしか震えているようだった。しかし、そんな少女の様子などお構いなしに、アレックスの奴はここぞとばかり背中に隠していた薔薇を出した。そして、極めて真面目な顔を以って、
「I love you……」
と言いかけた所で、女の子が泣きそうな顔をした。(もしかして、突然の告白に感動したのか?)と思ったのは浅はかで、彼女は突然声にならない嗚咽を大声で上げながら、奥に引っ込んでしまった。
アレックスの告白は空前絶後の大失敗。
そこへ、少女の代わりにそこの店の強そうな女将さんが出て来て、
「コラ、アレはまだ子供なんだ! 手を出すと私が容赦しないよ、早く帰れ、帰れ!!」
と、物凄い剣幕で自分等3人に怒鳴りまくった。こりゃたまらん。
(何で俺達まで!?)
アレックスの馬鹿野郎の所為で、完全にとばっちりを食った形だ。受け取りを拒否された薔薇を前に突き出したまま呆然とするアレックスと、彼の手前勝手な都合に有無も言わさず巻き込まれた日本人2人。この騒動を、周りの食堂の店員や通行人も立ち止まって一連の出来事をずっと見ていたようで、気がつけば我々の周囲には人だかりが形成されていた。この時は本当に恥かしかった。
と、そんなアホの子状態の3人に、今度は串焼き屋の主人が低い声で、
「……お前ら、まだ居やがるのか、とっとと帰らんかあ!!」
と叫んだ。手には獣肉を刻んだであろう包丁。 何も関係ないのに、ここで人肉饅頭にされてはたまらん。次の日の串焼きメニューに載る事を恐れた3人は、「ヒエ~!!」とばかりにその場を離れ、トボトボと早々と帰路に着いたのであった。
この件は、女遊びに慣れているアレックスにとっては意外にもショックだったようだ。
「ウワ~~~ン!!」
と顔を天に向けて叫ぶ奴など初めて見た。しかし考えてみれば、彼の近くにいたのは今まで西洋人と聞くだけでついて来るような頭も尻も軽い女ばかりだったから、彼にしてみれば、この少女のように純粋で頑なな態度は、彼にとっては本当に予想外な行動だったのだろう。
しかし、そんなアレックスの肩に手をそっと置いて慰める一方で、
「……見てて面白かったですね」
「実は僕もそう思いました」
日本人同士では密かにこんな会話。なんて他人事。
留学生宿舎に着き、アレックスが
「今日というこの日を忘れない為に、この薔薇を入り口に飾っておこう」
などと訳の分からない事を言い出し、少女に渡し損ねた薔薇を十字に重ねて、門にセロテープで貼り付けた。そして、早々に床に就いてしまったのであった。
門に貼り付けられた薔薇をしげしげと見つつ、自分は(なかなかにロマンチックな事をする奴だなあ)と思ったが、すぐにその考えを否定するに至った……ちょっと待てよ?
・この部屋には男2人「だけ」が住んでいる
・ドアノブには「DO NOT DISTURB(起こすな)」の掛け看板
・しかも入り口には薔薇
自分はこの時、思わず『薔薇族』を連想してしまった。
「こいつはいかん!! おい起きろ、起きろよテメエ!!!」
自分は血相を変えてアレックスにそれを外させようとしたが、失恋のショックから既に不貞寝してしまった彼を現実に呼び戻す事は叶わなかった。かと言って、勝手に外せば「俺の思い出を無下にしやがって!」などと怒り出す事は明らか、結局はその薔薇族ドアを放置せざるを得なかったのであった。
なお、その薔薇は自分が帰国するまでずっと飾られていて、それが次第に枯れていく様は、あたかもアレックスがその後に味わう「武術スランプ」の様子をそのまま如実に表しているようでもあった。
この世は無常且つ無情なり。
そして、客に屈託無き愛嬌を振り撒いていたあの女の子も、自分を見るや否や「長年探していた宿敵を遂に発見したような鋭い眼光」を以って自分を睨むようになってしまった。こうして、自分と朋友は武漢滞在中にあの店に二度と行けなくなってしまったのであった。全く、とばっちりにも程がある。
後日談。
「タクシ、紹介するよ。キティっていうんだ」
長身の中国美人を連れてきたアレックスは、自分に彼女をこう紹介した。ニヤニヤしたその顔は、ルームメイトでなければ撲殺に値する程憎らしかった。
----------------------------
「愛」という字から心を無くすと「受」になります。恋愛に対して受け身でいるうちは、成就は難しいのかもしれません。その点、彼の凄まじい行動力を見習っていきたいものではありますね。
……え、そうでもないって?

癒しとして(?)、武漢動物園で見た四不象(スーブーシャン)の写真でも、どうぞ。
2010年01月21日
人気記事ランキング
こんにちは、武研大分代表です。
ブログに「人気記事ランキング」を付けました。この武研大分ブログでどの記事が人気が高いのかが分かるそうです。初めてここのブログに来られた方が、どの記事を最初に読もうか迷った時、参考にして頂ければ幸いです。
なお、代表が個人的に推している記事のジャンルは……やはり「留学記」でしょうか。代表が武漢体育学院でどのような生活をしてきたのかが一目瞭然で、各方面から大好評を博しております。
武研大分が普段はどんな活動をしているのかを知りたい方には、「イベント」や「カンフー教室」もオススメです。代表がどうでもよい事を述べている「雑記」もそれなりに評判があります。
また、何か変更があった際のお知らせにも注目しておいた方がよいでしょう。カンフーについて知識を蓄えておきたい方は「よくある御質問」ですね。教室にお越しくださる方は「場所・時間」、代表のプロフィールが知りたい方は「代表略歴」を……。
……あれ?
何だ、全部オススメじゃないか!
ええ、そういう事なんです。つまり、
武研大分の記事にハズレなし!
……というのはかなり言い過ぎですが、これからも皆様が楽しめる記事をドンドン作成していきたいと思っておりますので、宜しくお願いします!!
あと、よく「コメント残したいけど、私なんかがそんな事したらブログが汚れちゃいそうで……」という旨の意見を頂戴する事が多いです。皆様におかれましては、あまり細かい事はお気になさらず、コメントはお気軽に残して頂けると嬉しいです。
ブログに「人気記事ランキング」を付けました。この武研大分ブログでどの記事が人気が高いのかが分かるそうです。初めてここのブログに来られた方が、どの記事を最初に読もうか迷った時、参考にして頂ければ幸いです。
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何だ、全部オススメじゃないか!
ええ、そういう事なんです。つまり、
武研大分の記事にハズレなし!
……というのはかなり言い過ぎですが、これからも皆様が楽しめる記事をドンドン作成していきたいと思っておりますので、宜しくお願いします!!
あと、よく「コメント残したいけど、私なんかがそんな事したらブログが汚れちゃいそうで……」という旨の意見を頂戴する事が多いです。皆様におかれましては、あまり細かい事はお気になさらず、コメントはお気軽に残して頂けると嬉しいです。





